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貴方は恐る恐る足場をそろそろと進んでいく。足場は亀裂が入るようなこともなければ、先ほどのような強い風が吹いて奈落に落とされるような事も無かった。このまま順調に進めば後少しで向こう側に辿り着ける。そう思っていた貴方には一瞬の油断があったのだろう。後数歩の所で大きくバランスを崩してしまう。命の危険を感じながらも体勢は元に戻せず奈落へと……
ビターン!
こけて顔から床に打ち付けられた。鼻に感じるえもいえぬ鈍痛にのたうち回り、そこではっと気付く。床? 何もない所へとこけたはずでは? と。よく見ると貴方の体は確かに足場から離れた場所にあった。しかし、見えない何かが貴方の足場になっているようで、落ちる気配はない。とはいえ、奈落に見える場所に留まるのは気分の良いものではないので、さっさと渡り切ることにする。奇妙な体験だった。
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