-鞘を求めて-

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78 咄嗟に手を離した貴方だったが、体の一部に火傷を負ってしまった。 「そんな……馬鹿な……」 「コレで思い知ったじゃろ。慢心していたと」 「ジャベル!」 ジャベルと呼ばれた老人は、あの掘っ立て小屋の前で酔いつぶれていた爺さんだった。 「お主らが儂を追い出してから何年経つかのう? ま、わしゃ気楽に過ごせるから構わんかったが……」 「お前が誰も後継に選ばなかったからだろうが!」 「後継? 誰がなれる? 魔剣にも嫌われる程度の鞘しか用意できんお主達の? 誰がじゃ?」 「「「「「………………」」」」」 「客人、怪我を負わせてしもうたのは申し訳ない。しかしその剣には鞘が要る。ついてきなされ」 貴方はおとなしくついていくことにした。 老人の後を追う→https://estar.jp/novels/25798313/viewer?page=70
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