-鞘を求めて-

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5 洞窟を進んでいると、不意に強い風を感じた。やがて洞窟が広がりを見せ始めると、渓谷とも呼べそうな大きな谷間が現れる。向こう側へ渡された細い橋というか石の足場は当然ながら持ち手がなく、不安しか無いものであった。どうしたものかと悩む貴方の背後から物音が聞こえる。慌てて振り返ると、ゾンビやスケルトンといった魔物が群れをなして追いかけてきている! 迷っている暇はない。貴方は意を決して細い足場をそろそろと渡るも、恐怖からだろうか? 足をもつれさせ、奈落へと…… ビターン! こけて顔から床に打ち付けられた。鼻に感じるえもいえぬ鈍痛にのたうち回り、そこではっと気付く。床? 何もない所へとこけたはずでは? と。よく見ると貴方の体は確かに足場から離れた場所にあった。しかし、見えない何かが貴方の足場になっているようで、落ちる気配はない。 そうと分かればゾンビ達から走って逃げよう、そう思った貴方は向こう側まで走り渡るのだった。そして何気に後ろを振り返ると……ゾンビ共は貴方が走り抜けられたあの渓谷を渡れず落ちていくではないか! 何故渡れたのかという思いでゾッとする気持ちはあったものの、あの魔物共に追いかけられる心配がないという安心感で自然と貴方の足取りは力強さを増すのだった。 先へ進む→https://estar.jp/novels/25798313/viewer?page=63
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