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1.経緯
真夏。父の散骨のために海を訪れた深水汐。浜で出会った少年、高遠昌は父と同じ心臓病だった。
一人ぽっちの昌の願いで一緒に別荘で過ごすことになった汐は、付き人だという仁科大樹に出会う。
9月に成功率の低い手術を受ける昌はひどくナーバスになっていた。憧れとも恋ともつかぬ思いを大樹に抱く昌。ついに告白するのだが、大樹に軽く一笑に付された。
実は、昌は大樹の息子だった。資産家の高遠グループ総裁、高遠政一郎の妻綾子と大樹の不倫で生まれた昌。高遠政一郎が昌を引き取ったのは、ただただ大樹への復讐のためだった。
昌の医療費の面倒を見てもらうために昌の付き人として仕えた大樹は、手術が始まって高遠に昌と二人で暮らしたいと願い出る。
激しい言い争い。
そして、判明した真実。
綾子は高遠政一郎を愛していた。仕事ばかりで自分を顧みない夫への嫌がらせとして大樹を誘惑した綾子は、臨月に入って子どもの父親は大樹だと政一郎に打ち明けた。
怒り狂って出て行く政一郎を二階から罵倒した綾子は、バランスを崩して落ちた。駆け寄った政一郎の中で「愛してる」と呟いて絶命した綾子は、帝王切開で昌をこの世に産み出したのだ。
全てを知って尚、昌と共に生きる決意をした大樹は、汐の家で暮らすことになる。
[たとえ明日が来なくても]https://estar.jp/novels/25883139
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