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星野未来さん 「サクラ・コンフェイト」
私のエブリスタ初のレビューは星野未来さんの「サクラ・コンフェイト」です。
とても余韻の残る作品です。短い作品ですが、広い世界を感じさせられながら、「温かみが漂う悲しみ」とでもいうものに包まれます。
作者の星野さまはたいへん聡明な方と推察されました。まだ学生さんということですが、いまの社会の抱えるさまざまな問題に関心を持たれ、とりわけ病気で苦しむ方々の苦しみや努力・頑張りなどを作品にしておられる素晴らしい方です。
この「サクラ・コンフェイト」では、そうした作者の思いやテーマは一見したところ後景に退いているように見えます。しかし後景にしたことによって、テーマは逆に作品全体の通奏低音となったように思います。
そして主人公の思い。これが情景と融合して伝わってきます。情景の描写はそのまま主人公の心情の述懐です。
巨大な悲劇に飲み込まれた人々を救おうとして、みずからも犠牲になった彼。打ちのめされながらも、そういう彼への思いを、大切に大切にする主人公。これらが異国の情景の中に描き出されます。そして異国と日本をつなぐ金平糖。余韻が残らないわけがありません。ぜひ、ご一読を。
「サクラ・コンフェイト」
https://estar.jp/novels/25953349
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