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仁科佐和子さん 「多々羅とテツ」
仁科佐和子さんといえば、この「エブリスタ」の「妄想コンテスト」で次々と受賞なさっている素晴らしい作家さんです。エブリスタを始めたばかりの私にもすぐわかるくらい有名な方と存じあげます。2回目はこの仁科さんの作品についてレビューを書かせていただきます。作品は「多々羅とテツ」です。
多彩な仁科さんの作品の中から、私が「多々羅とテツ」をとりあげたのは、私の本当に勝手な受けとめ方ではありますが、「色」です。ストーリー自身も非常に面白いのですが、そこに重ねあわされている「色」の織り成す世界、この一種の多重構造に惹かれた、ということです。
ぜひ、この作品を質の良いアニメ映画にして見てみたいと感じ、私自身がそのイメージをあれこれふくらませることができました。
ストーリーについては、どこを切りとってもネタバレになってしまうので、割愛いたします。ただし、この作品においても作者のストーリーテラーとしての力がみごとに示されていることははっきりと言えます。語りの妙に導かれて、つい一気読みしてしまうこと必須でしょう。
そして、少しだけ、言わせていただくならば、目の見えない子供と「色」の織り成す世界というその発想に、独特の「冴え」を感じました。
ここが、私がいちばん驚かされたポイントです。
仁科さまは、この物語と並行して、同じ着想から生まれた「鬼の子」を執筆しておられます。すみません、私はこれから読みにうかがいますが、ぜひセットでお読みになってください。
「多々羅とテツ」
https://estar.jp/novels/25956274
「鬼の子」
https://estar.jp/novels/25969350
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