忘れもの

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妄コン「忘れもの」受賞作品の感想です。 作品はこちらから読めます。 https://estar.jp/official_contests/159701 * * * 【大賞】 『鳩羽色の憂鬱』 青のキカ 様 ストレートな作品です。 ど直球な作品で、意外な仕掛けがあるわけでもなく、レトリックが凝っているわけでもありません。 作品の内容そのものが評価されての大賞だと思います。 ではでは、今日はこの大賞作品から多くを学ばせてもらうことにいたしましょう。 忘れ物をして、親が学校に届けに行く。 小学校くらいならあるあるかも知れません。 しかし、この作品は「逆」です。 子供が親の忘れ物を届けるのです! お題からイメージされる、一般的な光景の「逆」を描いてみる。 なるほどです!! 伏線は必ず張る。 これ、大事ですよね^^ いろいろと張られていますよ~ キャラは立てる。 この物語では、母のキャラが立っています。 キャラ立て、大事ですよね^^ 登場人物の価値観が180度変わる場面(いわゆるクライマックス)が用意されている。 クライマックスって、なんとなく盛り上がる場面のことかな~と思われがちですよね。 私はある文学研究者が言った次の言葉を忘れられません。 「クライマックスとは、主人公の価値観が変わる場面のことを指す」 これほど明確にクライマックスを定義している言葉があるでしょうか。 はい、この作品においても「クライマックス」ありますよ~ それは、読者は想像できるとは思います。 ですが、クライマックス、大事です。 ライバルがいる。 ライバルは「好敵手」と訳されます。 ただの「敵」とは違うのです。 この物語では白鳥がその役を担当しています。 ライバルは主人公に影響を与え、成長させる存在です。 ライバルキャラ、大事です。 一見、物語と無関係に進む設定が、実は伏線である。 この物語の場合は「陸上部」ですね。 妄コンは短編なのですから、細かな設定はすべて伏線として利用しましょう! どストレートな作品でありながら、大賞を受賞する要素がたくさん込められていて、学ぶところの多い作品でした。 * * * 次回も妄コン「忘れもの」の感想です。 お楽しみに!!
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