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特別な一日
妄コン『特別な一日』受賞作品の感想です。
作品はこちらから読めます。
https://estar.jp/official_contests/159703
* * *
【大賞】
『Right as rain.』 緒音 百 様
主人公の女の子は、同性の友達に恋をしています。
特別な一日とは、その思いを捨てる日を意味しています。
ストーリー自体は普通で、意外などんでん返しがあるわけでもないです。
それでも大賞に選ばれる理由がこの作品にはあるわけです。
まず、題名。
right as rain
直訳すると「雨のように正しい」
イギリスでは常に傘を持ち歩くくらい、雨が降るのが当たり前。
日本人からはちょっと想像しにくいイディオムであり、そのウンチクを語るシーンがあります。
英熟語だけではありません。
とある漢語についてもその意味を語る場面があり、作者の博識さがうかがえます。
ラストで題名につながる演出はお見事としかいいようがありません。
ストーリー自体が地味であるため、いかに表現で読者を楽しませるか、ですね。
彼女は新しい自分になろうと、日ごろ飲まない甘い飲み物を注文するであろうと予想します。しかし、甘すぎて飲めないだろうことも予想します。なので、自分はコーヒーを注文しておき、交換を申し出る。
ここまで彼女の行動を見抜いている主人公。
なんというか、名探偵になれそうです。あるいはメンタリスト?w
彼女のことをここまで好きなのに、その思いは彼女には届いていないわけです。
それがラストシーンにつながります。
シンプルな構成でありながら、読者を唸らせる様々な仕掛けが施された作品。
さすがは大賞受賞作品です( ღ'ᴗ'ღ )
* * *
【準大賞】
『世界を統一した女王』 aqri 様
ストーリーには既視感があり、読者は結末や女王の真意を早い段階から見抜くことができると思います。
それでも、先が気になって読んでしまう構成はお見事です。
選評にもありますが、作者が織り込んだ皮肉がいい味を出しています。
* * *
【入賞】
『色葬』 夕瀬ひすい 様
ジャンルはヒューマンドラマになっているのですが、実質的にはファンタジーです。
季節の移ろいをテーマにした素敵な作品です。
季節は人間の営みと関係なく、変わっていきます。
そこに、なんらかの所為を加える存在がいたことが判明。
ファンタジー作品の作り方を教えてもらえた気がします。
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次回も妄コン『特別な一日』の感想です。
お楽しみに!!( ღ'ᴗ'ღ )
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