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妄コン「○○解禁」
https://estar.jp/official_contests/159697
【佳作】
『これ、なんのカギ?』 阿坂 春 様
子供が出てくる物語は微笑ましくていいですよね。
……と、はじめはほっこりした気持ちで読んでいたのですが、だんだんと明かされていく複雑な家族関係。
歳の差が少し離れた兄弟あるあるというか、小学校低学年くらいで赤ちゃんが生まれると、上の子はかなり精神的にダメージを受けます。
もちろん、ダメージの少ない子もいるとは思いますが、子によってはチック症状が現れたり、不登校になったりします。
さて、作品の感想ですが、物語を牽引していく「カギ」がいいですね!
主人公も読者も、カギの真相を知りたくてうずうずします。
主人公と読者が共に追っていく「謎」がある作品は、読んでいてわくわくします。
私も、こういう書き方ができるようになりたいです。
物語の進行によって、さまざまな伏線が回収されていくのも見事です。
お父さんの部屋が散らかったままなのは、ただ単にだらしないからなのか、と思いきや……
読書の楽しさの一つとして、伏線が回収された瞬間の感動、というものも大きいと思います。
この作品では、子供の心理、孫を思う祖母の心理、両親の心理を巧みに描いているだけではなく、「カギ」が文字通り作品のカギとなって物語を牽引し、真相がわかった時にジグソーパズルが完成したかのような感動を覚える見事な構成と巧みな伏線。
最後におばあちゃんが教えた「魔法の言葉」で、この物語は感動と共に締めくくられます。
この作品は大賞レベルだと思います。
このような素晴らしい作品を読めるのも、エブリスタの大きな魅力の一つですね!!( ღ'ᴗ'ღ )
次回も、妄コン「○○解禁」の感想を書いていきます。
お楽しみに!!
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