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三行から参加できる 超・妄想コンテスト 第185回「○○解禁」
 解禁という言葉の根底には“束縛からの解放”があるためか、全体的にどっしりと重厚感のある作品が目立ちました。特に「なぜ禁止されたのか」「どのような経緯で解禁されるのか」が物語の流れに上手く組み込まれている作品は、構成力や筆力の高さを感じさせてくれました。  一方で、苦難を乗り越えた先にある日々を夢みて奮闘したり、「解禁はスタートあるいは通過点でしかない」という力強さ・ポジティブなパワーを秘めた作品も多く、総じて一作の満足感が高い回だったように思います。

大賞

エゾシカ被害の深刻さ、それを狩る立場の現実や狩猟知識などが克明に描写されており、重厚なドキュメンタリーのよう。興味深く、考えさせられながら一気読みしました。互いに家族という群れを守るためにしのぎを削り合う主人公とエゾシカのボス。その過程で生まれた互いへの敬意は、ある種の絆すら感じさせ、高潔で眩しく目に焼き付きました。

準大賞

国によって“告白できる日”が定められた世界。その日に向けて、想い人と二人きりの追試を続ける主人公だったが? それぞれのキャラが立っており、軽妙なトークにセンスを感じます。コミカルでテンポよく進むので、楽しく二人を見守れました。ペン回しが得意な彼女が思わずミスしてしまうラストは、にやにやが止まらなくなること請け合いです。

入賞

ご禁制とされているバラの苗を、ひょんなことから手に入れたエマ。家族にも秘密で育てることにしたのだが……。美しさで人々を癒していたバラが、その美しさゆえに狂気を生み出す様が、悲しくも迫真性をもって描かれています。冒頭とリンクさせつつも少しだけ違うラストには、希望と少しの不安が混ざり合っており、印象深かったです。

佳作

恋人を喪った真優は、彼の遺品となった婚約指輪を握りしめ、果たせなかった「富士山登頂」の約束に挑む――。登山中に恋人の言動を思い出しながら実践する様がせつなく、彼の存在感の大きさが痛いほどに伝わってきました。想いを捨て去るのではなく、自分自身の一部として受け入れる姿に共感し、一緒に前向きな気持ちになれました。
香子が家で見つけた古めかしい鍵。その正体と、封じられた想いとは――。孫と祖母の微笑ましいやりとりでほっこりさせつつ、謎の鍵を軸にしたミステリーがしっかり興味を引き付けます。幼い孫には少しビターな真相に気づいたおばあちゃんの言動が、優しくもチャーミングでした。
森の中に作られたホスピスで、母に見守られながら療養する主人公。彼の元に毎夜、不思議な声で鳴く鳥が現れるようになり……? 優しい語り口ですっと心に入ってくる、童話調の物語。大切にしているぬいぐるみに隠された秘密が明かされると、それを作った母の想いにも別の視点が加わり、せつなさで胸がいっぱいになりました。
孤児院で幸せに暮らすメメル。だがある日、彼女を探す怪しい男たちが現れて……? オープニングに疾走感があり、一気に作品世界へ没入させてくれます。密度が濃く、映画を見終えたかのような満足感がありました。半面、後半は駆け足で詰め込んだ感は否めないので、ぜひ長編で読んでみたいです。
魔女が10年に一度しか作らないという、特別な酒をふるまわれたサラ。すると不思議なものが見えるようになり――。孤独のつらさを知っていても、その孤独を誰かに連鎖させずにはいられない。強い力を持ちながら、人の業に縛られた魔女という存在、その悲哀に愛しさを感じずにはいられませんでした。

超短編賞

魚がたくさんいると人気の湖で働く、レンタルボート係。彼の悩みは、夜間にボートをタダ乗りされることで……。この短さでしっかり伏線を仕込んでいるのがお見事。夜の湖の様子や、空のボートの意味に気付いた瞬間、ぞわりと背筋が泡立ちました。

続きが読みたい賞

人が“これから明かそうとしている秘密”を先んじて知ることができる能力を持つ一花。その力で「爆弾を仕掛けた」という声を聞いてしまい!? 役に立たないと思われていた能力が原因で事件に巻き込まれる展開に、ハラハラドキドキです。個性的な友人達がまさかの活躍を見せるラストにも驚かされ、もっと彼女たちの活躍を見てみたくなりました。

トンデモ賞

母子家庭で苦労しつつも周囲の人に恵まれ、真面目に生きていた巧。ところが恋人が事故に遭った日を境に、世界が一変する――。質実なヒューマンドラマかと思いきや、まさかのSF展開に度肝を抜かれました。苦労しながらも真っすぐに成長してきた主人公の目の前に広がる新たな世界、そこにあふれる希望の光が眩しく、読み手の心を照らしてくれます。

優秀作品

SF 完結
1分 (481文字)

SF 完結
3分 (1,447文字)
スケジュール
・応募期間:2022年10月26日(水) 12:00:00 ~ 2022年11月27日(日) 27: 59: 59 ・最終結果発表:2023年1月下旬頃予定
賞
大賞(賞金3万円+選評)1作品 準大賞(賞金2万円+選評)1作品 入賞(賞金1万円+選評)1作品 佳作(選評)数作品   超短編賞(選評)  続きが読みたい賞(選評)  トンデモ賞(選評) ※大賞、準大賞、入賞または佳作(以下、「受賞」という。)の作品はエブリスタの短編小説シリーズ「5分シリーズ」に収録される可能性があります。(収録を依頼する場合には、受賞者に別途、ご連絡させていただきます。) 短編小説シリーズ「5分シリーズ」 ※受賞作品はエブリスタ公式SNS等で配信・紹介等される可能性があります。  優秀作品(結果発表ページでご紹介)  ピックアップルーキー(結果発表ページでご紹介) ※大賞・準大賞・入賞作品を除く上位30作品を優秀作品として、結果発表ページでご紹介します。 ※上位30作品まであと一歩だった作品の中で応募期間終了日より3ヶ月以内に会員登録された新規作家の作品を、ピックアップルーキーとして数点、結果発表ページでご紹介させていただきます。
募集概要
新作限定!初心者大歓迎! たった100文字の妄想でも気軽に参加できちゃう短編コンテスト、第185弾です。 今回のテーマは、「○○解禁」です。 どこかに必ず「○○解禁」の要素が登場する妄想を投稿してください。
・親友が恋人と別れたらしい。ずっと秘めていた彼への想い、解禁してもいい……? ・ボジョレー・ヌーヴォー解禁イベントを企画。ところが当日、ワインがすべてなくなっていて!? ・子供が生まれ禁煙を誓った男。離婚し独り残された家で、久しぶりの煙草に火を点ける――。
我慢していた何かが解禁された瞬間の解放感は、何者にも代えがたいもの。けど誘惑に負けたとしたら、罪悪感も付き纏います。 そんな「○○解禁」にまつわるあなたの妄想をお待ちしています! 過去の妄想コンテストはこちら
応募要項
・本コンテストの応募期間内に新規公開された作品。 ・文字数は100文字(三行程度)~8000文字 ※制限文字数未満又は制限文字数を超えた作品は選考対象外となります。 ※非公開設定している作品は、選考対象外となります。 ※連載中の作品の場合、応募期間終了時点での作品の完成度も含めて選考いたします。 ※エブリスタ内の公式コンテストや他社サービス等に応募中、または過去に受賞したことのある作品はご応募いただけません。
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応募の辞退について
応募期間中であれば、作品管理から応募の辞退が可能です。(操作手順はこちら) 締切後の応募辞退は原則として出来ませんので、ご応募の際はご注意ください。

次回予告

次回、妄想コンテスト第186回のテーマは「染まる」です。 本コンテストと平行する形で2022年11月9日(水)より開催予定です。 ※作品は次回の妄想コンテスト第186回の応募期間内に新規公開してください。応募期間前に公開した作品はご応募いただけませんので、ご注意ください。

コンテストの注意事項(必読)

超・妄想コンテスト