○○解禁

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妄コン「○○解禁」 https://estar.jp/official_contests/159697 【佳作】 『メメル』 秋月 一成 様 王道ファンタジーです。 孤児院でのスポーツの場面は、ハリーポッターのクィディッチのようでした。 浮遊大陸や飛空艇が出てきて、ファイナルファンタジーの世界を思い出しました。 この物語の「解禁」は、メメルの力の解禁でした。 ファイナルファンタジーⅥのティナのようでした。 * * * * * * * 『魔女のひとしずく』 橘花やよい 様 ファンタジーは設定が全て。 それを実感させてくれた作品でした。 「魔女」はファンタジーでは王道的な存在です。 ヨーロッパでは魔女狩りの史実があるように、魔女は人間から駆逐されるべき存在として設定されます。 舞台は葡萄園。 農業にとって不可欠な「土」。 「土の精霊」というキーワードが作品世界を盛り上げます。 この作品で解禁されたもの、それは、力を覚醒させて魔女になれるお酒の解禁でした。 十年に一度だけ解禁される。 その理由は「魔女は孤独でなくてはならない」から。 魔女になれば、偉大な力を人々のために使うことができる。 しかし、孤独な存在となる。 家族は、主人公サラが魔女と関わることに抵抗を示します。 魔女として生きるか、人間として生きるか。 主人公の選択は、一見、悲しい結末に見えるものの、どこから光あるもののように感じました。 この物語はファンタジーですが、この物語の「魔女」の設定は、現実世界でも成り立つ部分があるように感じました。 ファンタジーなのに、現実世界での生き方を問われたように感じる作品でした。 * * * * * * * 【超短編賞】 『かしこいさかな』 ななせハチミツ(彩月志帆)様 オールひらがなのタイトル。 私は『スイミー』を連想しました。 スイミーのサブタイトルは、「小さなかしこいさかなのはなし」です。 超短編賞は、受賞作品無しのことも多い、超難関な賞です。 私としては、大賞を取るより超短編賞を取る方が難しく思えます(大賞は私でも取れましたが、超短編賞を取る自信はありません^^;) 1ページ目 「えぇまぁ、魚はかわいいですよ。いやいや、顔の区別なんかつきませんけどね。向こうは私のこと覚えているみたいです。と言っても、こいつエサくれる人間、程度でしょうけどね。」 この文章の潜在的効果は、読了後に分かります。 かしこい魚とは言っても、人間から見れば魚は魚。 その「かしこい」も、人間は上から目線で魚を評価しているわけです。 こうして、人間にとっての魚の立ち位置をしっかり定義づけして本編が始まります。 このような精密な仕掛けがあれば、超短編賞の受賞が可能というわけです。 妄コンで受賞する秘訣、それは「ひっくり返す」こと。 この作品は、まさにその王道を行く作品でした。 「人間」への風刺が効いていて、難関である超短編賞の受賞にふさわしい名作でした。 * * * * * * * 次回も、「◯◯解禁」の受賞作品の感想です。 お楽しみに!
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