染まる

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染まる

妄コン「染まる」の受賞作品の感想です。 作品はこちらから読めます。 https://estar.jp/official_contests/159699 * * * * * 【大賞】 『藍より黒へ染まりゆく』 aqri 様 江戸時代の藍染職人の物語です。 今回の妄コンのお題が「染まる」ということで、何が染まり、さらに別の何かも染まる、という書き方の作品が多かったのではないでしょうか。 この大賞作品は、染め物の藍染にプラスして、人の心が黒く染まる、という要素を掛け合わせています。 職人としての藤吉の立派な姿勢に読者は感情移入しますので、当然、殺人事件の犯人ではないはず、と思うわけです。 実際、取り調べの当初は、血で自慢の藍染を汚すようなことはしない! と、職人らしい受け答えで犯行を否定します。 ところが…… 藤吉はこれまでの答弁をすべてひっくり返して、自分がやったと認めます。 読者としてはびっくりです! 藤吉は、本当は悪いやつだったのか。 それとも、何らかの理由があって罪をかぶろうとしているのか。 真相が明かされ、読者はなるほど……と思うのですが…… この作品の題名は、「藍より黒へ染まりゆく」。 予想外の結末に、読者の心も染められてしまいます。 * * * * * 【私の作品】 『白く染める』 神楽堂@はいほー https://estar.jp/novels/26043703 ここで私の作品の紹介です。 私も藍染をテーマにして書いています。 大賞作品は黒く染まりましたが、私の作品は白く染まります。 作品の雰囲気も結末も、いろいろと対称的になっています。 新潟で伝統的に行われている「雪晒し」という技法を作品化したくて書いたものです。 しかし、舞台を新潟にしてしまうと、ただのドキュメンタリーになってしまいますので、あえて、舞台は山形にしました。 新潟に嫁いだ姉から、雪晒しの技法を教えてもらう、という設定です。 構想に時間をかけた作品で、思い入れの強い作品です。 読んでいただけると嬉しいです。 https://estar.jp/novels/26043703 * * * * * 次回も、妄コン「染める」の感想です。 お楽しみに!!
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