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10 そのヨズシ氏、鬼才につき(10月7日)
僕は運のいいことに、本好きの友人が二人いる。
たまーーに食事会を開いて、読書談義に花を咲かせる。その中で僕はノートPCを開いて、パワーポイントで講演をさせてもらう。
五分かからない程度で、好きな作家と作品を語るのだ。
今までに四名の作家について資料を作った。
①梶井 基次郎 『過去』
②安部 公房 『砂の女』
③志賀 直哉 『赤西蠣太』
④ボリス・ヴィアン『うたかたの日々』
聴講者たち(といってもニ人)の反応が良かったのは、②の安部公房だと思う。
【昆虫採集が趣味の教員が、田舎のある村から出れなくなる。砂が少しずつ降り注ぐ穴に彼は幽閉されるのだが、果たして脱出できるのか? または砂に埋もれて死んでしまうのか。
一緒に穴蔵にいた村の女との関係はどうなる、というお話】
穴は住まいであり、砂は時間ではないか? いや落ちてくる砂を掘って捨てないと死んでしまう。だから仕事を意味するのでは? とか色々な解釈ができるからであろう。
熱のある講義と話し合いができた。
酒、は弱くて飲めないのでジュースが進む進む。
料金がかさみ、お会計時に顔が青くなる青くなる。
ーー閑話休題。
今日はエブリスタの産んだ特異点。ヨズシ氏について語りたい。
《ご本人には掲載の了解をいただき済み。こんな得体の知れないエッセイに、いいよーと言える度量の大きさよ》
ヨズシ作品は妄想コンテストもよく受賞されているので、ご存知の方も多いかもしれないが、私はべらぼうにあの世界観が好きなのです。
全五十作品(2023年10月7日現在)を読了しました。
ファンタジーやSF好きならば、まずハマるのでは。
と言うわけで、好きな三作品を〝致命的なネタバレ”を避けてお話しする。(少しネタはバレる。注意喚起はします)。最新作も素晴らしいのだけれど、そちらは大佐戸さんの他薦掲示板 https://estar.jp/bbs_topics/32451592 に載せたので、それ以外で。
このエッセイをヨズシワールドの入門編としていただけたら、我が生涯に一片の悔いなしなのです。
①『完璧な計画』
https://estar.jp/novels/25940798
千佳の幼なじみ春樹は受験当日にある事件に見舞われて、大学受験に失敗する。それから春樹はタイムマシンを作り受験をやり直そうとするのだが。
「え、過去に戻れるの」という興味もあるが、二人の恋愛模様も気になってページを手繰る(ポチる?)手が止まらない。
何より私、声を出して笑いました。
【以下ネタバレ↓】
だってタイムマシンの外見=工事現場の仮設トイレそっくりなのですよ。中の椅子もレバーついてて、ほぼトイレだし( ´艸`)
軽妙な二人の会話も堪らない。
二人は未来のある日の六時に設定したが、七時半に到着してしまう。
「そうか、重量だ! 千佳が同乗したことで五十キロ程度の重量が増え、時間がずれた」
「重量とかいうな!」
と千佳は春樹を殴りつける。
子供のお迎えで、駐車していた僕は夜中に大笑いです。
タイミング悪くお巡りさんがバイクでパトロールしていたのですが、完全たる不審者でした。警官が町の平和を守るため、警棒をぐっとつかんで、こちらに向かってくるレベル。
長くなってきたので、あと二点は裏面に書く。
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