第3話 菖蒲・8

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「原木シイタケは、年に二回も収穫できらすと。こがんば(これは)5月にもろうたもん(もらったもの)の中でも、特に肉厚で形の良か立派なんを選んだっちゃ。それをうちが丁寧に時間かけて天日干しして仕上げたったい。カルシウム吸収には欠かせんビタミンDも豊富。お肌も艶々、骨も丈夫になっていいことづくし!」  彩子は嬉しそうに制作秘話を語って聞かせていた。  だが、中を見た美羽は 「きゃああああああ! シイタケのミイラぁぁぁぁ!」  と学食中に響き渡る悲鳴を上げて、彩子の朗々たるシイタケ談義をかき消していた。           ―菖蒲・了― 【関連P】「教育ノススメ。+」実は、ここに彩子が出ております。 https://estar.jp/novels/25782664/viewer?page=33
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