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「どうでした?俺のキス。いいですか?女の子より。」
顔のタオルはまだ外してくれない。
「森川、確かにお前キス上手だよ。女の子より良いかもしれない。」
後ろ手に縛ったタオルは外してくれたけど。
森川が抱きしめてくるから抱きしめ返した。
「まいっちゃうな、森川。こんなことしてたら好きになっちゃうかもなお前のこと。」
「いいですよ。俺は何気、好きです。穂積先輩のこと。」
酔っ払い同士だから。聞き入れられる。
「穂積先輩。」
森川が俺の顔のタオルを外して俺を見つめてきた。
「本当ですよ。好きです。」
「人として?」
「はい。優しくて。こんなことにも付き合ってくれて。」
「キスくらい、させてやるよ。」
森川が俺の唇を指で触ってくる。
「見えててもキスできますかね。女の子と変わんないですかね。」
眉をハの字にして、キスを強請っているコイツがかわいいと思ってしまう。
「じゃあ、1回試してみたら?」
目をうっすら開けたまま、顔を近づけてくる。
「しますよ、しますよ、しま……。」
俺の方から唇を重ねてしまった。
2人とも薄目を開けてて重ねている唇の温度があったかくて。なんだか、このままでいたいようなそんな気分。
でも、たまらず笑い出したのが森川で。
「ふふ。ふふふ。ははは。」
「だろ、笑っちゃうよな。」
その頬を優しく指で撫でてみれば森川がふにゃふにゃ笑い出した。
「やっぱ好きです。俺、穂積先輩のこと。」
「なんかわかんないけどありがとう。」
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