5人が本棚に入れています
本棚に追加
「夢幻 おぼろ奇譚」 喜雨人(きうと)先生
++++++++
| 基本情報 |
++++++++
https://estar.jp/novels/25956956
完結済
所要時間:1時間35分 (56,731文字)
ジャンル:現代ファンタジー
過激表現:なし
あらすじ:
とあることをきっかけに、地味で目立たないクラスの男子が気になり始めた月森桃花。
もっと彼のことを知りたい、そう望んだ桃花は人気のない神社に願い事をする。願いはすぐに成就されたのだが、それは思わぬ方向で叶ってしまい――。
+++++++
| テーマ |
+++++++
メガネ男とは、メガネを掛けている男の事である。
そして、僕はメガネ男にまつわる恐ろしい話を聞いてしまった。
昔々。僕は今とは違う企業で開発の仕事をしていました。
その飲み会の時です。開発部の部長さんが数少ない女性社員にこんな事を言ってました。
「メガネ男には気をつけろ。メガネ男にロクなヤツはほとんどいない」と。
部長クラスになると外出や国内外の出張で色んな人と会います。そんな部長が言うのだから、あながちそうなのかもしれません。部長もメガネでしたね。ねっ!!('ω')ノ
※ここまで実話です。
今回は喜雨人先生の「夢幻 おぼろ奇譚」の感想文を書いていきます。
メガネ男子高校生と美少女JKの周囲で巻き起こる不思議な出来事を描く、青春ラブコメチックな現代ファンタジー。
では「ラブコメ」をテーマにキュンキュンしながら、考察していきましょう。ついでに、このメガネ男子高校生は、部長が言うようなヤツかどうかも考えていきましょう。
感想文を書きました。感想文の批評を3000文字以上でお願いします。
++++++
| 考察 |
++++++
▶主な登場人物
【丹生 陽斗】
メガネ男であり、地味な高校生。以上。
【月森 桃花】
JK。クラスでひときわ目立つ美少女で、彼女に心奪われる男は数知れず。美少女に生まれたが故、彼女はとんでもない危険に巻き込まれるのであった。
名前の響きと漢字の雰囲気がいい。
片親で育てられた影響のせいか、料理上手。
【凪】
豆腐屋「そいや」に住む、見た目年齢10歳の少年、と思われる。
【乾】
豆腐屋「そいや」に住む、凪の保護者的存在。
【白月神社の猫ちゃんたち】
猫派の人間にとって、天使であり大事な存在です。
▶主な設定
【豆腐屋そいや】
凪と乾が運営している、住宅街から外れたところにある豆腐屋さん。『狐のご飯』こと油揚げを神社にお供えしてお祈りをすると、願い事が叶うとか。
【追儺師】
鬼を払う者。鬼は人の心に潜んでいるらしいです。
【黒鬼面】
凪が育てた黒い鬼面。身に着けると、追儺師としての力を得られる。
▶考察・読みどころ
「これ、あげる」
ストーリーは、やたら意味深でシンプルなこのセリフから始まります。
それから、美少女JKこと桃花ちゃんと、陽人ことメガネ男の何気ない高校生活へと場面は切り替わります。
住む世界が違うであろう、この二人には誰にも言えない秘密がありました。
桃花ちゃんの父親とメガネ男の母親が再婚し、二人は兄妹の関係に。
血の繋がらない同い年の美少女の妹……
夢が広がるじゃないですか……ウプププ(^3^)
ラブコメだから為せる業、まさしくラブコメマジック。
放課後、2人は飯の買い出しをし、豆腐屋「そいや」を訪れます。
ここで「凪」という少年が登場します……が、詳細は省きます。
2人は白月神社へ向かい、豆腐屋で購入した油揚げを餌にかわいい猫ちゃんたちとの有意義な時間を過ごします。いいですね、僕も猫ちゃんに触りたいですね。
餌が切れ、猫ちゃんたちが立ち去る頃、2人は家に帰ろうと神社の石段を下りて行きます。
足元が見えにくい闇の石段を下りるのは危ないです。桃花ちゃんが足を踏み外しても受け止められるように、メガネ男は先頭を歩いていきます。
なんという紳士か。いや、可愛い女の子への下心を隠しているようにも見えますが……僕の心が汚れているだけですか?(ー∀ー;
石段を下りている最中、桃花ちゃんの背後に気持ち悪いストーカークソ野郎が現れます。彼の気持ち悪さが妙に生々しくて、桃花ちゃんの嫌悪感が半端ないです。ちなみに、メガネ男はスタコラと歩いているため、桃花ちゃんの危機に全く気付いていません。
何が起こるのかと思いきや、ストーカー野郎は桃花ちゃんの魂を怪しい鏡に閉じ込めてしまいます。
!Σ(°Д°)
かわいい妹と猫ちゃんたちに妄想を膨らませてすっかり忘れてました。
これ、本来のジャンルはラブコメではなく、あやかしが出てくる現代ファンタジーでした。
それからストーカークソ野郎は、メガネ男と魂を抜かれた桃花ちゃんに襲いかかります。が、メガネ男は体を張って桃花ちゃんを守ります。
くっ、このメガネ男のなんと勇敢な事か。
僕だったら近くの交番へダッシュして、お巡りさんを呼んできます。
このストーカークソ野郎、刃物を隠し持っているヤバい奴ですよ。守るにも限度があります。
そんで、ストーカークソ野郎がその刃物でメガネ男を刺そうとするところで、狐面を被った謎の少年がストーカークソ野郎を追っ払います。しかし、ストーカークソ野郎は桃花ちゃんの魂の入った鏡を持って逃げてしまいました。
はたして、メガネ男は桃花ちゃんの魂を無事に戻せるのでしょうか。
壮大なあやかしストーリーが始まる――
――のかな、と思っていたら、凪から譲り受けた黒鬼面で人ならざる力を手に入れたメガネ男がストーカークソ野郎の心に潜む鬼をあっさりと倒し、桃花ちゃんの魂を取り戻し、「追儺師」として鬼退治する事を決意します。
凪の正体は高名な「追儺師」だったのですが、ある理由で鬼退治はできません。なので凪の代わりに、メガネ男が鬼退治をする事になりました。
ところで、普通の高校生であるメガネ男が、危険な鬼退治を引き受けたのは、何故でしょう?
彼はもともと人ではない者の姿が見える能力が備わっていました。
それだけはでなく、彼はある事をきっかけに桃花ちゃんの事を異性として、気になっていたようでした。そんな桃花ちゃんはクソ野郎達だけでなく、あやかし達の注目の的になっていたようです。
彼女がそんな危険な状態とあれば、力が欲しくなるし、守らなきゃと思いますよね。
しかし、僕はそれだけではないと感じました。
凪の保護者かと思われていた乾から、凪と乾の過去や黒鬼面の話を聞かされます。この話って本当に悲しくて、乾の無念な気持ちが伝わります。これが決定打のような気がしないでもないです。
なんという勇敢で人情深いメガネ男か。
メガネ男の気持ちを知ったところで、肝心の桃花ちゃんの気持ちはどうなんでしょう?
ところで、あらすじの内容を覚えてますか?
実は桃花ちゃんも、とある事をきっかけにメガネ男を気になっていて、白月神社に彼と縁を結んでくれるようにお願いをしていたんですよね。
な、なんて可愛いんでしょうか。゚(゚´ω`゚)゚。
これでいいんですよ、これで。この真っ直ぐな可愛さが、男の脳天を貫くんです。嬉しさのあまり、「うぇーい」て叫びながら布団の上でダイブして頭をぶつけるんです。アホですね。
……と、いうことで、考察はここまでにしておきます。
詳細は本編を読んで確かめてください('ω')ノ
これはやはり、現代ファンタジーの皮を被ったラブコメですよね。
▶印象に残ったシーン
至る所に出てくる食べ物や飲み物が、とにかく美味しそうなんですよ。
炊いてあるご飯を出汁に浸し、鍋に即席のお粥を作る。
めちゃくちゃ美味しそう。
やかんで煮出した麦茶。
美味しいに違いない。
豆腐屋の豆腐で作った豆腐ハンバーグ。(料理上手な桃花ちゃん作)
美味しいに決まってる笑
「え? そこ?」て思うのかもしれませんが、美味しそうな食べ物を文章だけで伝えられる小説って、小説版ドラクエ3以外に浮かびません。
他にそういう小説がありましたら、教えてください笑
+++++++
| まとめ |
+++++++
部長ぉ!
このメガネ男は勇敢でいいヤツじゃないですか。どういう事ですか?
恐らくメガネをしてないであろう、ストーカークソ野郎の方がロクでもないヤツでしたよ?
結局、メガネの有無で人間性が決まるわけではありません。部長の周囲のメガネ男がそういう人だっただけでしょう。
この作品は和の要素が満載で、その世界観に惹きこまれます。他にも巫女や白狐も出てきます。
凪と乾の過去のお話は、とにかくグッときました。
若い2人の恋愛描写ですが、お互いの心理描写を丁寧に紡いでいて、キュンキュンが止まりません(*ノωノ)
この感想文を読んで「夢幻 おぼろ奇譚」に興味を持たれましたら、ぜひ冒頭のURLからご覧ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
最初のコメントを投稿しよう!