227 あと一回

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227 妄コン「あと一回」受賞作品の分析です。 https://estar.jp/official_contests/159780  このページは、【受賞バッジ】が授与された作品について、私が独断と偏見で^^;分析させていただくページとなっております。  受賞作品の【ネタバレ】を含みますので、ここから先を読むのは自己責任となります。  読み進めるかどうか、決めましたか? では、【大賞】受賞作品から分析していきます。 『黒恋沙汰』 池田春哉 様  ジャンル 青春 (6019字) https://estar.jp/novels/26259680 ・一人称視点 ・会話から始まる ・お題の使い方…「あと一回」だけ告白すると言っておきながら何度も告白。 ・作品分析  主人公と親友との会話で進行していきますが、セリフの間には場面描写や心情描写が入っており、会話文が長く連続しないよう配慮されています。  気になった点としては、主人公の性別が冒頭では明かされておらず、おそらくは女性なのだろうことは推測がつくのだが、主人公の名前が明かされるのが6ページ目であり、やや遅い感じがしました。  さて、この作品のクライマックスは、7ページ目 >「でもあと一回はもう残ってないから」 >「じゃあ私のあげる」  読んだ瞬間、「ドキン!」としました。  さすがは大賞受賞作品です。  あと一回と言いながら何度も告白する流れはとてもわかり易いです。  お笑いなどでは「天丼」と呼ばれるパターンですが、それをうまく文学作品に活かしていてさすがです。  ユーモア表現は2回使う。  前半の「サバ」ネタが、後半でも登場します。  おもしろい表現を使った場合は、後半でもう一回使うと味わいが増します。  そして、使う状況は前半と後半で違っているわけですから、表現の価値もまた違ってくるわけです。  私もこの技法、取り入れてみたいと思いました。  地の文の表現の巧みさ。 P.1 >それを見て笑いながら両手でカメラのポーズを作る私。 情景が目に浮かぶような表現ですね! P.6 >美月は天板の木目を数えるかのように机をずっと見つめている。 この比喩表現も、素晴らしすぎて鳥肌が立ちました( ღ'ᴗ'ღ ) 学校の机って、天板には木目が入っていますし、この一文で教室の光景がありありと目に浮かんできます。 そして、木目を数えるという表現がじっとと見つめている様子を的確に表現していて、いやはや、私もこういう表現ができるようになりたいと思いました。 ということで、納得の大賞受賞作品ですね。 池田春哉様 受賞おめでとうございます。 * * * * * 次のページは、凖大賞作品の感想です。
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