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三行から参加できる 超・妄想コンテスト 第227回「あと一回」
「あと一回」がもつ言葉の意味を、どれだけうまく料理できるかで面白さが変わってきたように思えます。作品によって「ラスト」だったり、「ネバーギブアップ」だったり、「リフレイン」だったりと様々な解釈があり、多様な表情を見せてくれました。  その中で、過程や理由に説得力がある作品が全体的に完成度が高かった印象です。一方で、もう一歩踏み込めていればより面白くなったのでは、と感じる作品も見受けられました。テーマをいかに深く解釈するか、というのが大事だと改めて感じます。

大賞

何度振られても諦めず告白をし続ける女の子と、彼女をそばで支える親友。その親友の心の内とはーー。まず、心情の描き方が非常にリアルで素晴らしいです。特に切ない感情を書くセンスが光っています。その文才にまるで自分が主人公になったかのような感覚になり、胸が締め付けられました。ラストの主人公による決断も予想外で、心にグッときます。

準大賞

「エンボス加工された質感は爬虫類の皮膚のようで冷たく感じた」など、直接的な言葉を使わずとも心情を伝えるテクニックが素晴らしいです。文章全体に絶望感とひどく心を痛めている様子が滲んでいて、読んでいて胸が押し潰されそうでした。主人公と奥さんが少しでも光ある道を歩んでほしいと願ってやみません。

入賞

人と入れ替わる超能力を手に入れた主人公。最初は面白半分に能力を使っていたが、次第に歯車が狂い始めて......。便利な能力に「あと一回、あと一回」と中毒になっていくさまが、リアルでもあり不気味でもあります。だけど先が気になって読んでしまう、そんな読者を引き込むような文章力が輝いていました。

佳作

メメの設定がしっかりとしていて悪霊になってしまった経緯に説得力があり、だからこそ恐怖を感じさせる作品でした。山に来てしまった男女が恐ろしい目に遭うシーンは、読んでいてゾワッとしました。ラストはその後を描くよりも、もう一段階上の怖いエピソードを残すとよりホラー作品としてのクオリティが上がるのではと感じます。
夫に不倫されているという女性のポストを見つけた主人公だったが――。短い文章の中でありながら、とても巧妙に練られた話だと思います。すっかり騙されてしまいました。主人公の「ちょっとフェイク混ぜたりしてるんですよ」というセリフが大きな伏線になっていて、最後には背筋がヒヤッとしました。
心を殺してしまった主人公が、少しずつ再生していく――そのさまに胸を打たれました。「役目を終えたウイスキーの空き瓶達が、新たな仲間を待ちながら無造作に横たわる」など、主人公が見ている物から心情を伝える文章力がグッド。失意のどん底に落ちた主人公が、少しずつ光を取り戻していく姿に勇気をもらいました。
魂のかたちを見て絵を描くことができるという祖父。その祖父が自ら命を絶ったという回想から物語が展開していきます。序盤からずっと漂っていた不穏な空気の正体が、勢いよく点と点が線でつながっていくストーリーに引き込まれました。読者を魅せる力が光っている作品です。主人公達が今後幸せでありますようにと心から祈ります。
母に言われ毎日お参りをしている主人公が、宮司の孫と名乗る者に古い小銭をもらい......そこから自分の中にある正しさのようなものと、グルグルと考えながらも向き合う主人公の姿が心に残りました。理不尽に対する感情とどう折り合いをつけるかというのは、生きる上での課題だと思います。そういう意味でとても考えさせられる作品でした。

超短編賞

妻が残した一通の手紙を読み、夫はどう行動するのかを描いた作品。手紙からは妻の死後も夫に愛され続けたい気持ちと、夫に幸せになってほしい気持ちが入り混じった、いじらしい葛藤が読み取れました。2人の思い出を辿りながら、手紙の想いに呼応するように答えを出していく主人公の一途な姿にグッときます。

続きが読みたい賞

愛すべき阿呆な主人公とツンデレ“ご冷嬢”のドタバタラブコメディ。ときめきとコミカルさがバランスよく、ストーリーが進むテンポもよく、クスッと笑いつつも胸キュンしながら読めました。喜怒哀楽を引き出せたら婚約をなかったことにする、という設定もユニークです。今後2人がどうなっていくのか、続きが読みたくなる作品でした。

トンデモ賞

該当なし

優秀作品

スケジュール
・応募期間:2024年7月24日(水) 12:00:00 ~ 2024年8月25日(日) 27:59:59 ・最終結果発表:2024年10月中旬頃予定
賞
大賞(賞金3万円+選評)1作品 準大賞(賞金2万円+選評)1作品 入賞(賞金1万円+選評)1作品 佳作(選評)数作品   超短編賞(選評)  続きが読みたい賞(選評)  トンデモ賞(選評) ※大賞、準大賞、入賞または佳作(以下、「受賞」という。)の作品はエブリスタの短編小説シリーズ「5分シリーズ」に収録される可能性があります。(収録を依頼する場合には、受賞者に別途、ご連絡させていただきます。) 短編小説シリーズ「5分シリーズ」 ※受賞作品はエブリスタ公式SNS等で配信・紹介等される可能性があります。  優秀作品(結果発表ページでご紹介)  ピックアップルーキー(結果発表ページでご紹介) ※大賞・準大賞・入賞作品を除く上位20作品を優秀作品として、結果発表ページでご紹介します。 ※上位20作品まであと一歩だった作品の中で応募期間終了日より3ヶ月以内に会員登録された新規作家の作品を、ピックアップルーキーとして数点、結果発表ページでご紹介させていただきます。
募集概要
新作限定!初心者大歓迎! たった100文字の妄想でも気軽に参加できちゃう短編コンテスト、第227弾です。 今回のテーマは、「あと一回」です。 どこかに必ず「あと一回」の要素が登場する妄想を投稿してください。
・ゲームで負け「もう一回」を繰り返す弟。兄は勝負する代わりに、ある条件を提示して? ・時間を操る魔法で国を救ってきた魔法使い。しかしあと一度しか魔法が使えない中、戦争が始まって――。 ・放課後に「あと一回」という声が聞こえたら「もう終わり」と返さなければいけない。さもないと……。
あと一回、これで終わり……そう思っていたのに、気付けば何度も繰り返していたなんてことは、誰しも身に覚えがあるはず。 そんな「あと一回」にまつわるあなたの妄想をお待ちしています! 過去の妄想コンテストはこちら
応募要項
・本コンテストの応募期間内に新規公開された作品。 ・文字数は100文字(三行程度)~8000文字 ※制限文字数未満又は制限文字数を超えた作品は選考対象外となります。 ※非公開設定している作品は、選考対象外となります。 ※連載中の作品の場合、応募期間終了時点での作品の完成度も含めて選考いたします。 ※エブリスタ内の公式コンテストや他社サービス等への重複応募が確認された場合、応募取消しになる場合があります。
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選評の送付や書籍化の打診は、エブリスタに登録されたメールアドレス宛にご連絡いたします。迷惑メール防止の為にドメイン指定受信の設定をされている場合、メールが正しく届かないことがございますので、「@estar.jp」を受信できるよう設定して下さい。
応募の辞退について
応募期間中であれば、作品管理から応募の辞退が可能です。(操作手順はこちら) 締切後の応募辞退は原則として出来ませんので、ご応募の際はご注意ください。

次回予告

次回、妄想コンテスト第228回のテーマは「山」です。 本コンテストと平行する形で2024年8月14日(水)より開催予定です。 ※作品は次回の妄想コンテスト第228回の応募期間内に新規公開してください。応募期間前に公開した作品はご応募いただけませんので、ご注意ください。

コンテストの注意事項(必読)

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