227 あと一回

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227 妄コン「あと一回」受賞作品の分析(その2)です。 https://estar.jp/official_contests/159780  このページも、【受賞バッジ】が授与された作品について、私が独断と偏見で^^;分析させていただくページとなっております。  受賞作品の【ネタバレ】を含みますので、ここから先を読むのは自己責任となります。 * * * * * 【凖大賞】 『書き換えられたスケジュール』 夜空の散歩者 様  ジャンル:ヒューマンドラマ (2235字) https://estar.jp/novels/26254385 ・一人称視点 ・会話はほぼなく、主人公の独白形式 ・主人公の動作から始まる ・1ページ目で主人やその家族との関係が明確に分かる。 ・ハッピーエンド(明るい未来を想像させる終わり方)  連れ子(女の子)がいる人と結婚した男性のお話。  反抗期の対応が実にお見事で、心にどしんと響きました。 >中学生ともなると反抗期とまでは言わずも叱る必要がでてきた。俺は自分の感情で行動しないように努め、叱るのは母親に対する態度だけに留めた。あとは娘の話を聞くことに徹した。  血のつながっていない父として、難しい年頃の娘にどう接するのか、なるほどと唸らされました。  P2で主人公の行動目的が語られます。冒頭シーンが伏線のようになっていて構成がお見事です。  そして、事情の明かし方が素晴らしい。  警察が絡むとなると、いったい何なのだろうと読者は興味を持って読み進めます。  決定的な情報はP2の最後で語られているのですが、そこまで持っていく筆の運びが工夫されています。  私が思うに、おもしろいヒューマンドラマというのは、主人公の行動目的がはっきりしている作品だと思っております。  この人はどういう人で、どういうことをしたいと思っているのか。  それが冒頭付近で明確になっている作品は、読者は脱落せずにぐいぐいと読み進めるように思います。この作品のように。 ・お題の使い方…クライマックスになって初めて「もう一回」が登場。  この作品、何が「もう一回」なんだろうな、と思いながら読み進めていたところ、そこでか~!! と私が受けた衝撃はMAXでした^^;  さすがは受賞作品です。  お題の使い方が、大賞作品と凖大賞作品とで対照的になっているのも興味深いです。 ・お題を冒頭から使っていき、作品全体を通じてお題が扱われていくパターン ・クライマックスまでお題をとっておき、そうくるか!! と読者を唸らせるパターン  どちらもお題の使い方としてステキですよね。  今後、妄コン作品を書くにあたり、このあたりも意識してみたいと思いました。  受賞作品はとても勉強になります。 * * * * * 次回も受賞作品の感想です。 お楽しみに!!( ღ'ᴗ'ღ )
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