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227 妄コン「あと一回」受賞作品の分析(その3)です。
https://estar.jp/official_contests/159780
【受賞バッジ】が授与された作品について、私が独断と偏見で^^;分析させていただくページです。
受賞作品の【ネタバレ】を含みますので、ここから先を読むのは自己責任となります。
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【入賞】
『あと一回の功罪』 高木アイコ 様 ジャンル:ミステリー (6237字)
https://estar.jp/novels/26256333
・一人称視点。前半と後半で主人公は入れ替わる
・自分の持つ特殊能力(他人と入れ替わる能力)の説明からスタート
・お題の使われ方…人気者の体を乗っ取って憧れの男子と交際することが快感となり、あと一回、あと一回と乗っ取りを繰り返す
叙述トリックものは、私の大好物です。
こういう仕掛け方もあるのだな、と勉強になりました。
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【佳作】
『イマイチド』 aqri 様 ジャンル:ホラー (7204字)
https://estar.jp/novels/26247750
・一人称視点
・怪奇現象からスタート(変な声が聞こえる。飴を食わされる)
・昔、盲の使用人が他の使用人の策略に嵌められて、結果、殺されてしまったという伝承
・お題の使われ方…殺された盲の使用人メメが、名誉を挽回しようと「イマイチド」と言いながら彷徨っている
・伝承が主人公と第三者とで食い違っていて、どちらの伝承が本当なのかがわからない恐怖。
・伝承での死に方と同じ死に方で登場人物が死ぬ恐怖。
・はじめから悪霊が出てくるのではなく、人の咎が霊を悪霊化してしまうという設定の巧みさ → 人の愚かさや罪深さを表現
ホラーの書き方が学べる作品だと思いました。
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『リアルで「ざまぁ」な展開なんて起こせないから』 りりぃこ 様 ジャンル:ヒューマンドラマ (2175字)
https://estar.jp/novels/26250337
・一人称視点
・衝撃的なSNS投稿の文章からスタート
・なぜ、投稿主は夫を殺すことにこだわるのか → 読者の牽引要素
・主人公の立ち位置が物語の途中で分かる → 読者さらにびっくり!
・お題の使われ方…あと一回浮気したら殺す
わずか3ページの作品なのですが、ページを捲る度にどんでん返しが待っており、読者を牽引していく工夫に溢れた作品でした。
隠しテーマは「フェイク」といったところでしょうか。
文字数2000字あれば、こんなにも鮮やかな仕掛けのある作品が書けるものなのですね!
この作品のような、読者をあっと言わせる仕掛けのある作品、書いてみたいです( ღ'ᴗ'ღ )
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『ヒラメと太陽』 大村秀 様 ジャンル:ヒューマンドラマ (5614字)
https://estar.jp/novels/26251757
・「離婚した」からスタート
・一人称視点
・釣りの良さが語られる → 待つ楽しみ 釣り上げる楽しみ
・お題の使われ方…あと一回、人生をやり直してみたっていいじゃないか
・名言
> どん底は見た。しかしそれは「終わった」事を意味しない。「もう一回」やり直すも何も、一度だって同じ「一回」はない。毎回が新たな「一回」なのだ。
明るい未来を想像させる終わり方でよかったと思いました( ღ'ᴗ'ღ )
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次回も、妄コン「あと一回」受賞作品の感想です。
お楽しみに!!
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