夜薙 実寿

時間の関係上、98ページまでで失礼致します。 不思議な作品……それがこの小説の印象です。 初陣の辺りまでは、台本書きだわ、誤字多いわ、展開は早いわ、いきなりZX出て来て必要な説明も無いわ、肝心の主人公やヒロインの外見描写は無いわで、「ん~……これ読むの辛いかも」と思っていたのですが……。 それでも読み進めていくと、何故か続きが読みたくなってくるのです。 知らない内に惹き込まれているのです。 徹底して、色々な描写は足りないのに……何故だ……何故か面白いんだ、これ。 非常に簡潔な文のみで心理が書かれているにも関わらず、主人公の苦悩とか、悲しみが、すごく伝わってくるんですよ。 それは、他のキャラにしてもそう。 相変わらず外見などが全然わからないのに、ああ、こいつはこういう奴なんだなって、何故かわかるんです。 しかも、敵方にもちゃんとした事情や感情が備わっていて、生きてるんですよね。 その命を奪わなければならない主人公……戦争の辛さが、ひしひしと感じ取れます。 歴史の説明も、普通ならば堅苦しく感じる所のはずなのに、何故か嫌味にならず、すんなり読めました。 ていうか、感心させられました。 この作者さんには、こんなにも深い考えがあって、この作品を書いているんだなと。 これで、細やかな表現力が付いたら……この作品、めちゃくちゃ化けると思いますよ。 他の方も仰っていますが、戦闘描写はとても素晴らしいのです。 詳細に描けていますし、状況が想像しやすく、見ていてドキドキ出来ました。 だからなのかな。他の部分に色々ツッコミ所があっても、目を瞑れちゃうんです。 最初の内は、台本書きの部分なんかも、突っ込もうかと思っていたのですが……何かもう、これはこれでいいやって思えてくるミラクルです(爆) なので、文の巧拙に関しては、敢えてもう何も言わない事にしましたが、一つだけ。 折角、これだけ惹き付けられる物語を思い描けるのだから、序盤だけでも、必要な描写を増やしてみてはどうでしょう? ZXの説明。主人公や友達の詳細。ヒロインの外見等……。 リトルバードに乗り込むまでの日常パートももう少し増やしても、物語に深みが出ていいかも? この序盤で読むのをやめてしまう人が出たのでは、勿体無いです。 とまあ、大したアドバイスも出来ない上に、上から目線でのレビュー、失礼致しました^^;

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