三回繰り返し読ませて頂きました。辛口でとのことでしたので、もっと良くなると感じた点について、包み隠さず書きます。全体を通して感じるのは、物語の全ての場面を詳細に描写しているあまりに、クライマックスをはじめとした伝えたい箇所の描写が埋もれてしまっている点です。歌で言うところのイントロとサビの抑揚がついていません。サビをもっと盛り上げろというより、トーンを落とすべきところをもっと落とし切るのが効果的です。以下詳細です。 まず全体の構成についてです。コンパクトな短編ではありますが、まださらに短く、端的にまとめた方が効果的です。文化祭というテーマを強調するためとは理解できますが、文化祭までの道のり、屋台やお化け屋敷の描写、さらに友人のカフェもそこまで詳しい描写はなくとも文化祭の空気は伝わるのように感じます。そこをわざわざ深く掘り下げるよりは、無気力な主人公と対照的な場である活気溢れた文化祭に対して主人公が何を感じるのかが知りたいですし、劇場となる体育館の雰囲気を上演前の静寂から想起させる描写を加えるべきです。個人的には友人の「セリフ」もカットで良いと感じます。わざわざ登場させるほどの重要性はないですし、「友人に勧められて」という一点が分かればもうオッケーかと思われます。その分主人公と川嶋にスポットを当てる比重を増やした方が効果的です。もう一点気になるのは「アドリアーナ」を使い過ぎな点。長い名前ですから、何回も主語として登場すると文章のリズムを外します。名前ばかりが気になって話が入ってきづらい節があります。時折「彼女」と指してみたり、物や動物に置き換えて例えてみるだけで舞台での躍動感が格段に変わると思います。最後にテーマ性、決められたレールを走ることしか生きる道を見出せなかった主人公が舞台を見ることを期に新たな可能性の扉を開く物語であれば、もう一歩主人公の動機が弱い。自分には決められた道しかない絶望感や無気力感は何故なのか、親からの期待と重圧か、幼少から味わったトラウマがあるのか、突き詰め悩んでいる描写が深くて初めて川嶋の躍動に触発された場面が輝きます。主人公の新たな心の躍動はやはり静止していた心の描写がしっかりとして初めて活き、盛大な拍手とともに結末へ着地できると感じます。後半は取り止めなくなりましたが以上です。コメントにて追加で対応致しますのでお気軽に質問どうぞ。(^ ^)
・2件
ナオさん、読んで頂きありがとうございました! こんなに詳細に感想もして頂き、感謝です! すぐに改善出来る点の手直しと、あと冒頭部分について少し相談なのですが! この誠という主人公は、親が何でも決めるタイプの家で育っています。 そして今まで特にそれで失敗したこともないため、反抗する事なく生きてきたのですが...。まわりの学生の夢に対する憧れや葛藤に対して、それがない自分がふと不安になるような。 なので冒頭を友人からの言葉ではなく、例えば母の『私の言う通りにしていれば間違いないのよ』という言葉から誠の心境に入る案もありました。 でも文化祭テーマという事で、学生同士のやり取りがあった方がいいのか
1件
こんばんは。回答致します。第二案でも効果的だと思います。ただ本質としてはもう少し掘り下げたいところです。母の言う通りにして少なくともある意味では間違いなかったわけですから、彼の人生において具体的にはどう間違わなかったのか、単純に進路にしても色々あると思います。今後の進路も、医者なり公務員なり教員なり、堅実な道ってあると思いますが、母は何を願い、誠はどう重圧に感じているかが読者を引き込むカギになるのではと感じます。

/1ページ

1件