大変遅ればせながら妄想コンテストおめでとうございます! 事故で記憶喪失になった男。目覚めると病院のベッド。周囲にいる『家族と名乗る人物達』から断片的な話を聞くにつれ、段々と自分の身の上を理解していく… と言ったプロットのミステリーは数々有ります。 しかして、そのほとんどは記憶が戻り、自分の『真の身の上』が分かりベッドの中で愕然とするという幕引きを迎えます。 今作の考え抜かれ、個性が光る点は、 主人公がベッドから外界に出て、更には自らが行動を起こすという点です! しかも、その行動の引き金となったのは『自称・妻』から与えられた嘘の情報によってです。 まさに!マリオネット! 記憶喪失である以上、主人公はその嘘の情報にすがり信じるしか無い訳ですよね! そして! 最終的に『自称・妻』の『黒い計画』を知る事となる…。 と! そこで終わらない所が! 作者様の卓越したストーリーテラーとしての腕前ですね! まさかまさかの『大逆転劇』!! ここでタイトルの『迷宮のマリオネット』が頭の中で綺麗に繋がりました! いやぁ、さすがの一言ですよ!! 短編でありながらハードカバーの本格ミステリーをご拝読したような満足感を堪能させて頂きました! まさに一級品! 大変優れた作品をご拝読させて頂き、本当にありがとうございました!!

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