意味深なタイトルに以前からずっと気になっていた作品です! しっかりとした世界観と作者様の発想の豊かさに大変感心致しました! 『どんなに悲しくても、どんなに嫌な事が有っても、周囲に笑いを振り撒き続けなければならない悲しきピエロ』 といったモチーフの作品は数々有りますが、 この作品で描かれているのは、アンダーグラウンドで催される、文字通り『地下サーカス』! しかも、死刑囚を実際に殺す事をショーとして、代金を取り観客に見せる、古代ローマの天覧試合を思わせるような『血みどろサーカス』です! いやはや、これは凄い発想です! すっかり圧倒されました! しかも、今作ではその卓越した物語設定だけではなく、様々な風刺や教訓が込められていると思います。 嫌な仕事、汚ない仕事はみんなピエロやホワイトタイガーに押し付けて私腹だけを肥やし続ける団員たち。 しかし、いざ自分たちが見世物をやる羽目になった途端、日頃の怠慢から身を滅ぼす事になってしまう団員たち。 これは、物語に登場する地下サーカス団のみならず、現代社会にも当てはまるような気がします。 人に嫌な仕事を押し付けて漁夫の利だけを搾取する輩は、いつの世にもいるものです。 しかし、人を使う立場の人間だからこそ、 それにあぐらをかかず、普段から自らも身を引き締め切磋琢磨し続けていなければ、いつか必ず自分自身が手痛いしっぺ返しを食らってしまう…。 人間というのは、努力や勉強を忘れた瞬間から堕落の道を歩み出すのではないでしょうか。 そして、 『僕とは少しちがうな。 僕は、笑われて、殺すためだけに作られた。 その命をそれでも精一杯振り絞って闘う彼らとは雲泥の差だ。』 ↑↑ この一節も本当に大変心に響きました。 そうです! 命を精一杯に振り絞って生きる事! これこそが本当の意味での『人生』! これこそが本当の意味での『生きる事』なんですよね! 全体を通して血生臭さが漂うダークなムードの作品ではありますが、 逆に私は作者様から『懸命に生きる事って本当に素敵で素晴らしい事!』という普遍的なメッセージを頂いた気がします! 思考に事欠かない、大変優れた作品をご拝読させて頂き、本当にありがとうございました!!
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お返事が遅くなってしまい、すみません(*_*) わぁ、こんなに色々と読み取って頂いてありがとうございます! 生きることは、色んな側面があるんですよね。精一杯生きた名もなきピエロ。自身はそれでも自分のことを皮肉げに思いながら末路を迎える。 たくさんの思いを込めた作品を、こんなに真剣に読み込んでレビュー頂けたこと、本当に嬉しいです! 本当に本当に、ありがとうございました。゚(゚´ω`゚)゚。

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