妄想コンテスト受賞作

もう読みましたか? 「三行から参加できる超・妄想コンテスト」には、鮮烈な一言や渾身のオチなど、短い文章だからこそ強烈なインパクトを放つ秀逸な作品が集まっています。 今回は、三行から参加できる超・妄想コンテスト第1回~第10回より受賞作をご紹介いたします。 三行から参加できる超・妄想コンテスト: 第10回 「秋の学校で…」 第9回 「『これが全てのはじまりだった。』で終わる小説を書こう」 第8回 「隣に引っ越してきたのは…」 第7回 「一億円を手に入れて…」 第6回 「『教室の戸を開けたら、そこには』で始まる小説を書こう」 第5回 「水場の恐怖」 第4回 「優しい彼(彼女)が豹変して一言」 第3回 「ある日手に入れた不思議な道具」 第2回 「セリフを考えろ―無口なあいつがボソッと一言」 第1回 「メールを開いたら、恐怖が待っていた」

イチオシ作品

[準大賞] クリスマス、主人公・メイは同居人達と一緒に食べるケーキを買いに行くが…。 生き生きしたキャラクターの掛け合いを楽しく読んでいると、明らかになる悲しい事実。テンポよく緩急がついた文章で世界観に引き込まれる作品です。

第10回 秋の学校で…

[大賞] いつもどおりの自転車登校の朝、前を走るのは俺をバカバカ言い続ける「ツン女」。サッサと抜き去りたいけれど…!? 独特の文章ですが味があり、ハマるとテンポよくどんどん読み進められます。
[準大賞] 授業外では優しくなく、目つきも悪い化学教師。何を言っても冷たく突き放すけど、それでも私は先生が好き! 教師×生徒、王道の少女マンガ展開。先生と生徒が恋愛することの難しさを丁寧に描いている点が非常によかったです。
[入賞] 人間のように成長するロボットと、そのロボットたちが通う学校で教官を務める男の物語。 男子生徒が、特に強烈なキャラ付けをしていないのに妙に心に残る不思議な存在感を放っています。オチも納得感があって爽やかな読後感です。

第9回 これが全てのはじまりだった。

[大賞] その日、空を埋め尽くす宇宙船がすべての人類の運命を変えた…。 政府の見解を信じるか、噂を信じるか――「選択」というテーマが描かれた作品です。正解の見えない選択がずっしりと読み手の心にのしかかります。
[準大賞] クリスマス、主人公・メイは同居人達と一緒に食べるケーキを買いに行くが…。 生き生きしたキャラクターの掛け合いを楽しく読んでいると、明らかになる悲しい事実。テンポよく緩急がついた文章で世界観に引き込まれる作品です。
[入賞] 放課後の美術室。24歳・英語教師の汐里は、教え子から人生初のプロポーズをされる…。 じっくり、しっとりと穏やかな文章で描かれる、悲しい恋の物語です。死の匂いを含んだ静謐で美しい空気が伝わってきます。

第8回 隣に引っ越してきたのは…

[大賞] 隣に引っ越してきた、少し変わった雰囲気の女の子。彼女は「あなたの全てを知りに来たんです」と宣言し…!? 「この先に何かありそう」と匂わせながら物語が進んでいくので、先が気になって読むのを止められない作品です。
[準大賞] 文学少女が住む家の隣に引っ越してきたのは、綺麗で毒舌な絵描きの青年だった…。 創作とリアルの狭間で悩む少女の感性をヴィヴィッドに描いた作品。喫茶店の風景も非常に魅力的です。
[入賞] 事故物件に住んでいる著者のリアルな体験談を綴ったエッセイ。 幽霊に対してまるで無防備なとぼけた文章が読み手の怖さを増します。読者に直接語りかけているので、よりリアルに感じられました。

第7回 一億円を手に入れて…

[大賞] 減点方式ならぬ減「円」方式で、生まれた時に支給された一億円を使って生きていく社会の物語。 管理社会の息苦しさのみならず、評価される苦しさや他者より自分を大きく見積もる人間の心理なども描かれており、考えさせられる作品です。
[準大賞] 気にしすぎ、考えすぎる主人公が、大金の入った鞄を拾ってしまい…!? 主人公の心情が臨場感をもって描かれています。、同じタイプの人は共感を覚えると思いますし、そうでない人も「バカだな~」と笑える作品です。
[入賞] 妻を亡くし、多額の遺産を手に入れた男。しかし、妻以外の家族がいなかった男は孤独で…。 お金を手に入れても虚しいだけ、というお話かと思いきや、ラストにもう一捻りあって驚かされました。書きたいテーマが強く伝わってきます。

第6回 教室の戸を開けたら、そこには

[大賞] 現実を受け入れられず、空想の世界に生きる少年の物語。 語り手が自らの心の弱さに対して言い訳も卑下もせず、等身大の自分の姿を淡々と語る文章に引き込まれます。空想と現実が次第に入り混じっていくさまも幻想的でした。
[準大賞] 物語の舞台は、とある男子校のクーラーが壊れてしまったクラス。俺達の夏(ナトゥ)は今日から始まった! ノリが良くて、先がどんどん読めます。掛け合いのテンポも言葉のチョイスも面白く、読んでいて楽しくなる作品です。
[入賞] 教室の戸をあけたら、そこには空の上に並ぶ机と椅子があった…。 発想が非常に面白いです。閉塞感をこう表現するか、と唸らされました。事件を受けたクラスメイトの言動を、リアルかつ鮮やかに切り取っています。

第5回 水場の恐怖

[大賞] 泳ぎの得意な男が患った「かっぱ」という病。水断ちしなければ病気は悪化するという診断に対し、男が選んだ道は…!? 主人公の心境の変化、夢に賭ける思いがひしひしと伝わってきて胸を打ちました。ラストの水の描写は圧巻です。

第4回 優しい彼(彼女)が豹変して一言

[大賞] 恋愛、それは…女は上書き、男はフォルダ保存。穏やかな彼との結婚が決まり、幸せが訪れるはずが…!? 「彼」のキャラクターが立っています。恋人の正体が判明してからの展開が緊迫感に満ちており、息を詰めて読めました。
[準大賞] 友達にチケットを押し付けられて足を運んだ、自分とは無縁なライブハウス。そこで出会ったのは…!? 王道の少女マンガ展開です。この短編の続きを読みたくなるような雰囲気に満ちています。
[入賞] 3年前、自分を“買って”くれた「彼」のために恩返しを続ける主人公。いつものように、彼のために部屋の掃除をしていると…!? 本当は豹変していないけれども語り手から見たら豹変だった、という描き方が上手いです。

第3回 ある日手に入れた不思議な道具

[大賞] 携帯電話のような形の、誰もが簡単に偽装食品を判別できる装置。主人公はそのマシーンを手に、妻と高級レストランに向かうが…!? ブラックユーモアがよく効いており、非常に完成度の高いショートショートになっています。
[準大賞] 『大切な人のところまで飛びます』とだけ書かれた不思議な紙ひこうき。それが飛んでいく先は…? それぞれのキャラクターがそれぞれに痛みと大切なものを抱えている様子が伝わってきて、胸がじんとしました。
[入賞] “魔法少女になれるドレス”を手に入れた24歳の主人公。その「痛すぎる」服装と格闘する物語。 文章のテンポが良く、笑いながら読めました。ヒロインのキャラクターも非常にリアルで現実感があります。

第2回 セリフを考えろ 無口なあいつがボソッと一言

[大賞] 会社にリストラされ、再就職に苦しむ主人公は、ある日、10年前に自殺したはずの友人・ハルと再会する…。 主人公の疲弊した心が、子供のころのキラキラした喜びを経て回復していく――その様子に、読み手も励まされる作品です。
[準大賞] 学校の近くで相次ぐ猫の惨殺事件。「ねこのおなかはバラでいっぱい」不思議な雰囲気を纏う同級生の奇妙な一言が、主人公の心を揺さぶる…。 耽美的な雰囲気の作品です。彼女の一言がまるで実際に耳に聴こえてきそうでした。
[入賞] 美術展の警備アルバイト中、とある彫刻を毎日眺めに来る少年を見つけた主人公。幼いながら美術に興味を示す姿に感心していたが…!? オチの意外度もさることながら、最後の三行の言葉遣いのチョイスが絶妙でした。

第1回 メールを開いたら、恐怖が待っていた

[大賞] 知らない女性から突然とどいた、SOSメール。イタズラ?と疑いつつも、指定された住所へ行ってみると…!? エピローグ後の主人公たちの心情を想像すると、非常に怖く、読み手の心に残る作品です。
[準大賞] 気がつくと、暗い部屋に閉じ込められていた主人公。生き延びようと必死にもがく彼の元に、家族からメールが届いて…!? サスペンス性のあるシチュエーションが恐怖をそそり、ドキドキしながら読み進めることができる作品です。
[入賞] とある高校で流行った、「うしろ」というメールを真夜中に送り合うという奇妙な遊び。ただのゲームのつもりだったが…!? 見事な構成力です。何気ない遊びが都市伝説になっていき、事件が起こるまでの流れが上手く書けています。

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