押し寄せる胸のざわめき

引きこもり男子と、隣に住む騒々しい女子のお話です。シンプルな構成と、軽いノリの平易な文章ですが、とても心がざわつくんです。本当は一人で静かに籠っていたいのに、その女に日常をかき乱される。そうして嵐が過
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一喜一憂のすべてが「物語」でした!

以前から上山さんのファンでしたが、これはホントに良かった…。 最初は僕の地元の宇都宮が舞台だから読み始めたのですが、それ抜きに「読んで良かった」と思える素晴らしい内容でした! 心を少し病んだ少女が悩
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かけがえのない人を失ったとき、人は…。感動しました

夫を失って2年が過ぎた、母親と幼い息子2人のショートストーリーです。それぞれの心情の繊細な "振れ" を綴る、ひとつひとつの言葉が、涙腺に直に訴えかけてきました。かけがえのない存在を失ったあと、写真と
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背中を押してくれる作品でした!

学生のふりをして大学で講義を聞く天ぷら学生の有川くんが、杖をつきながら歩く紗英と出会う。コンプレックスでいっぱいの自分と、エネルギッシュで充実した日々を生きる彼女や読書研究部の人たちと出逢い――。
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加害者側のこういう心理を書けるってすごい

奥さんを辛い目に合わせ、挙句に浮気相手を選ぶという身勝手な理由で別れた男が、やがてその元奥さんに再会する物語です。主にその男の目線で話が展開していて、ヨリを戻せると信じ込んでいる…。その「静かに狂って
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プライドと挫折のはざまで見た、世界の一端とは…。

桜の美しい公園の丘の上に散りばめられた、大小さまざまな「突起」を見ながら、彼は追想する。かつて優秀な医大生だったにも関わらず、医師にはなれなかった彼が、プライドと挫折とのはざまで見たものとは――。短い
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心情表現が繊細で、ただただ陶酔しました

齢14になる禿(かむろ)と、彼女が密やかに恋い慕う用心棒の男との、静かな夜の物語です。表紙、タイトル、ストーリー、文章表現に至るまで、すべてが「美しい」と思いました。でもただ綺麗なだけじゃない、宿命に
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鮮烈な夏のCMを見ているようなイメージでした。お勧めです!

いつも爽やかでエネルギーに満ちた赤葉さんの作品の中でも、これは深く印象に残った大好きな作品です。徳島の紺碧の海、ヨット、ずぶ濡れの女子高生、そしてタイトルの「心中」の意味は…!? 短いお話だからか、C
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胸が締め付けられっぱなしでした

なんかもう、胸がぎゅんと締め付けられました。 いじめを受けている男子と、いじめを受けている女子。空が赤黒くいびつに光る真夜中の街で、静かな交流をします。ヘッドライトを照明に、バレエを踊る彼女。二人だ
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心がざわつきっぱなしの読み応えのある物語でした

母と娘の、埋めようのない溝を描いた作品です。作者様が書いていた"ハートフルボッコ物語"とは、何を意味するのか――。今までに読んだことのないお話で、衝撃的でした! 先が読めずハラハラしっぱなしで、キレイ
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かつて学生だった頃の、甘くて苦い自身との対峙。

すっかり大人になってしまった今、ほろ酔い気分で立ち寄ったとある小劇場で、不思議な支配人に導かれ、かつて情熱を燃やした学生時代の演劇部、かつての仲間たちと、目を背けたくなるような「昔の自分」との対峙――
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言葉にならない感情が行き交う2人の「走る女子」の物語です

幼なじみで、一緒に陸上に情熱を燃やして来た二人の女の子のお話です。「青春」って言葉で片付けられないような、いろんな複雑な感情があって、すれ違うこと、ぶつかること、目を逸らすこと、大切に思うこと。小説に
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迷いながらも歩く、歩く!

女子高生がウォーキングクラブに参加するお話です。僕が好きな「歩く」「走る」「翔ぶ」系の物語でありながら、三月という「迷い」「ためらい」に満ちた不安定な季節でもある。言問い通りの名の通り、他者との会話、
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憎めないゲス男子の物語・・・面白かったです

過激表現、のタグに惹かれて読んだわけではないです(←)。20万字の長編ですが、のめり込めるので、すらすら読んでしまいました。工業大学の男女が織りなす恋愛物語で、主人公がまあまあゲス男子ですが、でもどこ
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俳句とイラストがどっちも素敵すぎます

1ページごと、俳句とイラストによって、まるで息を呑むような一瞬の煌めきを見せてもらうことができます。言葉が紡ぐ心の「綾」と、風景に映る光の「彩」とが、とても繊細に混ざり合うようです。
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手紙をテーマにした作品で、ラストすごく惹かれました

 読まれたくない、と思いながら書かれた手紙をめぐるお話です。書いた男と、受け取った文盲の少女、少女に字を教えることとなった少女の友人…。3人の心情がとても精緻に描かれていて、短編ですが読み応えがありま
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いつか行く道。胸に沁みる作品でした

高齢者をテーマにした素晴らしい作品です。 自分も病院に勤めているので、ちょっと厄介なおじいちゃんや、話の通じにくいおばあちゃん等と接することも多いけど、自分にとっても「いつか行く道」なんだよなぁと思
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カラス好きな人もそうでない人も是非!笑

 カラス目線のコメディです。カラスって嫌われ者だけど好きなんですよね、愛嬌のカタマリだと思う。そんな魅力を十分に描かれていて、きゅんとしつつも笑ってしまいます。そもそもタイトルがピザ(のんき)と戦争(
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名称や所在のない感情があふれるようでした。

 父の浮気で出て行った母。そんな母から数年ぶりに会いたいと言われ、喫茶店で対峙する娘――。この短編は、二人の会話と、いくつかの回顧だけで構成されます。それだけなのに、うまく言葉にできませんが、すごかっ
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働くことをテーマにしたリアルな人間ドラマで、長編で読みたくなりました

「働くこと」をテーマに、2人の女性の人生の交錯を描いた物語です。誰だって、うまくいかないとしょぼくれたり、つまづいてふてくされたり、働く理由を見失うことだってしょっちゅうあるけど、小さな種火でまた燃え
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こんな作品は初めてで面白かったです

なんかもうヤボな解説はできない、読んでもらうしかない作品なんですけど、毎日の生活に疲れきってるときのとりとめのない妄想を、こんなにも滑稽に(真剣に)描いた作品ってなかなかないなぁって思えて、面白かった
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夜の街で、多くの人間の人生が複雑に交錯する物語です。

サスペンスの長編です。田舎から逃げるように上京したジュンが、ショーパブでファンたちを魅了するダンサー“ルビー”と出会うところから始まる物語。 人間味があふれていて、どこか泥臭いのに洗練されていて、繊
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手に負えない感情を抱えて飛行する物語。素敵でした

こんな物語を書ける人に、心底憧れます。 天の川に橋をかけるために、傷つきながらも飛行する一羽のかささぎのお話です。愛する人が自分じゃない誰かを愛していても、その人のために空を飛べるだろうか? 手に負
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言葉で形容できないような、この作品固有の感動があると思いました

僕の敬愛する森岡さんですが、この作品はその中でも圧倒的に魅了されました。無限にも似た時間軸と空間軸の交わるその1点が、日常という何気ない物語の中に潜むような…。何とも言葉で形容しづらい感動をプレゼント
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緊張感があるような無いような、素晴らしい展開でした

受賞するわけですね・・・めっちゃ面白いです。 まず状況設定の作り方がすごく斬新で、とりあえず読んで!って言いたくなるお話です。緊張感に満ちてるのに間が抜けてて、あるあるなのに斬新で、応援したくなるよ
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二人称の物語を初めて読みました

これは今までに読んだことのない、ある意味で衝撃的な作品でした。 小説って、一人称か三人称かの表現になるので、じゃあ二人称で書いてみたらどうかな?と考えることはあると思います。でもなかなか実現しない、
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旅という舞台で、知らない誰かとの交錯。そして心は…。

切なかったです。僕の(勝手に)持っていた、夢七夜✩孤島さんのイメージがまたがらっと変わったような、そういう意味でも印象的でした。 短編なので一枚の風景写真のような、でもそこにいろんな感情が込められて
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男子が読んでも心に響く作品だと思います

上山さんの作品は、ストーリーも文章も大好きなのですが、これは女性の生理をテーマにした作品なので、男の自分があれこれ書くこともおこがましいし、理解だってどこまでしているか?自信もないのですが。 小学校
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一枚の風景写真のような

作者様のいろんな思いが詰まった作品とお見受けしました。だから安易にレビューなど書くべきかとも思いますが、しかし、やはり印象的で素晴らしかったんです。 物語を読んで一枚の風景写真が目に浮かんだら、それ
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こういう出来事を「ミステリ」って呼べる素晴らしさ

こういうミステリ作品っていいなぁ。 例えば恋の始まる直前とか、それよりもっと前「ちょっと気になるだけ」の時期ですら、誰かが誰かの心のうちをそっと覗こうとしたなら、それってもうジャンル:ミステリーだな
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