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鬼燈を掲げ

小説

鬼燈を掲げ

熟成芥

(1)

第30回コンテスト

完結

17ページ

更新:2016/08/23

コメント:二万円の為に頑張りました(隠喰と書いて『おんぐい』です)

説明

第30回コンテストで
準大賞頂きました

天平神護の世。
今より千余年昔の事である。
雪の降る晩であった。

一人の赤子が名もない山寺に捨てられた。
その赤子はボロ布に包まれ、石段の中頃に、ひっそりと鳴き声もあげず、夜を越し、僧に引き取られた。

さて、十二の年が巡った。

その頃には既に、彼が凡人でない事など誰の目にも明らかであった。
文、和歌、書、画、笛。
そのいかなるを取っても彼に敵う者などその山寺にはいなかった。

肌は白く、目は熱っぽい。黒髪は少女のような艶があり、その美しさに寺の誰も髪を剃れと言いえなかった。

二年経って、彼が十四となる頃。

その噂は南都にも知れ渡り、『世を絶つ美少年』と囁かれた。

彼に欠点があったとすれば、一つは酒好きであった事。もう一つは恋に応じなかった事であろう。

その日、冬空に煙が上がった。

表紙画像元[https://www.pakutaso.com]

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