風の行方

なかなか面白い作品だと思う。   現代の軽薄なラノベに多いインフレしがちな漫画的バトル物の設定を、裾を踏んで戦うという特徴で制限し、インフレを抑えている。   これはなかなか凄いことではある。 だが発想の良さがある反面、明らかに序盤から現在まで根幹となるプロットや設定が甘く、明らかに書いている内に筆者自体のモチベーションが下がってしまうという、ある種のプロット未発による作家病ともいうパターンに陥っている気がする。   この種の病は自分も良くかかるのだが、プロットを組めていないため、初期に想定していたアイデアと後に考えついたアイデアが相反し、物語自体が自分の思う通りに行かなくなるのである。   プロットは読者のためにあるわけではなく、作家のためにある。   受賞に向けて頑張って下さい。

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