ストーリー B
長い休みならではの、子供たちの冒険。わくわくするその感覚には昔の自分を思い出して共感でき、続きが気になりました。
ただそこで期待してしまったがゆえに。終盤で起きた不思議な体験が無かったことにされているような形の展開には、少し物足りなさを感じてしまいました。本当に有ったことだと示す何かが無ければ、乱暴な言い方をすると「変な夢を見た」というだけで終わってしまう可能性が出てきてしまうからです。このあたりは私の個人的な好き嫌いが反映されている可能性が高いですが、この不思議な体験が夢でなかったと示すような証拠となる何かが最後にあれば……と感じてしまいました。
キャラクター B
個性的で、物語中でそれに見合った動きを見せて差別化が図られていたことは高評価。一方で、この物語を作るために登場人物がこんなに必要だっただろうかとも感じてしまいました。
表現 B
構成上の演出に違和感を感じることはありませんでしたので、その辺りは優れていたと思います。しかし所々、文法上気になる点が見受けられてしまったことが残念でした。これは表現の項目で述べることではないかもしれませんが。
特に気になったところを一つ挙げますと「皆から見たらどう思うのだろう」→「皆からはどう見えるのだろう」
例えば、こんな文章のほうがいいと思います。文法上、「どう思う」の主語が行方不明になってしまっているためです。
総合 B
具体的な言葉をあまり用いずに、夏休みというテーマを冒険、友情、不思議な体験などといった諸要素から感じられたことは素晴らしかったと思います。
九崎冷水