夏月 海桜

月をモチーフにした、本作品は、短編ながら、人間の愛が独特の表現で描かれている。繰り返される音が鍵になっているのだろうか?と考えながら、読み進めて行くと、音や擬音が日常の物語なのだ、と理解出来た。夫婦愛と親子愛が描かれている本作品は、しかし、ただ愛を描いているわけではない。人間がちょっとしたタイミングで陥る弱さや脆さも描かれていて、それらもひっくるめて全てが愛しいのだ、と言っている。ただのすれ違い。そう思っていた事が、こんなにも絆にヒビが入っていた。けれども、そのヒビに気づかなかったままではなくて、きちんと気づいて、そのヒビを直そうと奔走する親の愛に、同じ親として、涙が溢れた。いつ、自分の子が……と考えないわけでは無い。もちろん、そうならないように未然に防ごうとするのが親なら、こんな風になった後の親子関係をどうするのか、考える事の大切さも描かれていた。起こらないように対処するだけではなく、起こってしまったらどうするのか。という考えを明示してくれた作品だと思う。いつだって、愛を伝えるのに遅くは無い。遅い事は無いのだ。と、諭される素敵な作品だった。
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あとがきに使いたいくらい作品を掘り下げてくださっていて、嬉しいです。規定頁数に纏める力量がなくて伝わらないかな、と懸念していましたが(;´Д`A レビューありがとうございました。
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こんばんは! 拙いレビューをすみませんでしたm(__)m 素敵なお話をありがとうございました! 親心も子心も難しい細やかな部分を、独特な描写で描かれていて、納得しました! お目汚しにならなければ良いな……と思いながら書かせて頂いたので、こちらこそ、ひと安心しました(*^^*)

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