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沈まない太陽と訪れない夜に
光姫 琥太郎
2013/12/22 2:09
ただ男女の恋の駆け引きの描写に終始することなく、この作品には紛れもなく音があり、匂いがあり、そして光がある。 まるで一篇のショートムービーを見せつけられたかのような鮮烈さ。洋書の翻訳を思わせる不思議な雰囲気に満ちた台詞の応酬。その変に気取らない“リアル”な世界に取り込まれ、終盤はパリの冷たい風に自分も晒されているかのような錯覚に陥る。 登場人物がクールだからか、どことなく無機質なイメージで貫かれた中盤までの構成からは思いもつかない、後半のジャズの演奏シーンの熱量には圧倒された。互いの燻る想いが瞬発的に爆ぜる様が見事に描かれている。 儚くも切ない、誰しもが経験してきたであろう『素直になれない』若かりし頃を想起させるストーリー展開と、ビターでありながらも極めて前向きなエンディング。読後感も素晴らしい。 お見事です。
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岡田朔
2013/12/22 12:20
まず、作品を読んで頂けた事がとてもとても嬉しいです。 レビューを頂けると思っていなかったので、只々胸がいっぱいで言葉にするのが難しいです。 私が作品を書く時に大切にしている事を言葉にするとこうなるのかと…… 光姫さんの作品以上に素晴らしいレビューを読んで改めて気づかされました。 意識してやっているところもあれば、そうでないところもあって。 もう少し物語や登場人物に引っ張られることなく、自分でコントロールして行けるように努力していきたいと思います。 時間が止まる演出、言われてはっとしました。 私はどちらかというと無音の時間を作る方を考えてしまっていたので、リズムチェンジをして読者の
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光姫 琥太郎
2013/12/22 17:04
僕もいろいろ考えてみた。 あの作品で時間を止めるとしたらどのタイミングか? あくまで参考程度に聞いてくださいね。決して修正とかしないよーに。 あくまで光姫的思考として読み流してください。 まず考えたのが、図書館で再会するシーン(二回あったはず)。 でもあそこは読者も再会を期待してるので効果はない。香水というギミックもうまく使われているのでヘタな小細工は不要。 なら、クリスマスのライヴのあとはどうか? あそこも再会のフラグがすでに立っているし、むしろ時間なんて止めずに一気に駆け抜けたいところ。 と考えて。 リディーの部屋にクロードがいた瞬間。 あそこしかないな、と。 出会ったばかりのま
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