りょうこ

始終、劣化した脳ミソをフル回転させながら読み進めた。冒頭から理系色濃そう~ 何か厄介な物に手を出してしまったという予感。 哲学的な精神世界に恋愛物を持ってくるという一見、ミスマッチな組み合わせが、真逆の発想で面白いと感じた。 途中この世界観のままどこまで読者を引っ張っていけるのかという不安を(もしかして挫折者多数?)よそに、恋の哲学論展開は、大学の教養課目レベルの読者でもなんとか迷子にならず、しっかり分析されていて共感させてもらえた。 ただ、密度が高いのでケータイ小説の所謂サクサクとかスンナリとは違う話です。 格言や名言も話をいっそう盛り上げ興味深い物にしてくれてます。 中間地点の二人(愛川、紫陽)の関係性を表現した論理と感情は対義語であるような気さえする→若さ故の特権のように思えて、読者、優先順位をどこまで下げ続けたのか人生振り返り、 「自分を納得させるだけの~」大宮の言葉に当てはまり過ぎると頷き(..) 怒りの度合いを数値化する話は聞いたことがあれど「好き」を数値化する下りは流石に苦笑。 そして何より読者にとってトリックを解くカギを握ってたのは多々良さんだったのではないかと思う。彼女の存在が目隠し(年密に)の役割をしていた気がする~ やられた... 学生時代、もし此恵瑠久さんが哲学の授業の教授だったら哲学という学問へのイメージはかなり変わったかも それ違うでしょ、何故、どうしてと突っ込み処も最終的には愛川の心の変化と共に静かに鎮火していく。 作者特有の恋愛観に対する論理的思考はかけ離れているように見えてるだけで、アプローチの仕方や発想に違いがあるだけだ。 読者にしっかり迫ってくるものがあるし、楽しませてくれる読み応えのある作品になっている。
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訂正→年密× 緻密○ アプローチの仕方や発想に× アプローチの仕方や視点の○

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