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ごめんなさい、芸術家なんで
たすう存在
2014/1/23 11:29
オブジェ= 事物、物体、対象などの意味を持つ、英語ではobjectにあたる言葉。 主に美術用語として用いられ、その場合には自然物、工業製品、廃品、日用品など、またはそれを使用して作られた作品をさす。 ダダイスムとシュルレアリスムでの使用が顕著。 「うぃき」によるとそういうことだそうです。 ダダイズム、シュルレアリスムとは、ざっくりというと現実や秩序を破壊しようという芸術のことです。 意図してかどうかは分かりませんが 『ごめんなさい、芸術家なんで』もまたその精神を受け継いでいるように感じますし、この作品の根幹となる存在が、奇妙な「オブジェ」であることは、何とも言えず象徴的です。 作品は全編を通してコメディタッチで語られますが、それらの意味することをつぶさに読み取るとどれも酷く意味深です。 主人公である金沢さんは、自分がそのオブジェを造った動機を「無心で私はそんな物を作ったようだ」と語り、その後も一貫して自分の行動対して、一歩退いた態度を取り続けます。 そして他人事として関わりながらも、作品の出来栄えに納得がいかず修正していくのです。 文字通り、クラス一丸となった塊を解体→きれい、汚いを超越して、核となる粘土玉(たま、魂、霊、エッセンスの象徴でしょうか)を取り出した金沢さんは、自分が客体であることの寂しさを吐露すると、本当の願望に従って、そのたまに混ざります。 こうして、一見無意味に見えた芸術に、一応綺麗な意味付けがされます。 ですが物語は最後の一頁で二度の転換を見せます。 すみません、長いのでこのレビューのコメント蘭に続きます^^;
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たすう存在
2014/1/23 11:30
続きです。 まず、本当の意味での客体である生き残ったクラスメイト、羽柴さんが、クラスと金沢さんを嗤うことで、金沢さんの芸術は無価値な物へと貶められ、一度はそれが決着であるかのように見えます。 ですが更にその後、何と金沢さんが一命を取り留めてしまいます。 そして、委員長のお腹というギャグでしかありえないアイテムと 「わあ、こんな中毒性抜群のお腹にされたら二度と切腹出来ないじゃん!!」という軽いセリフとともに、あっさりと死ぬことを諦めてしまいます。 安直ではありますがやはり「死」というのは終結の一つの定型です。 それをギャグで破壊してしまうということはつまり、ここまでの物語の全否定
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