及川シノン

完結記念に一気読みさせて頂きました。携帯小説だから連載を追っかけても良いのでしょうが、池さん作品は完結したものを一気に読むのが個人的な楽しみ方です。小雨降る週末にコーヒーでも飲みながら。 そんな風に読みながら、こんなにも続きが気になる・そして結末が気になった作品は数えるほどです。 前作の『ヒエラルキーに泳ぐ深海魚は夢を見る』が生命の物語だとすると、今作はまさに『愛』の作品だと思います。 それだけに「愛がないねぇ」と印象的な台詞を残した殺人鬼ラブレスの終わり方に、もう少し救いがあっても良かったのではと思いました。 ですが愛され育ったドミニク少年が愛を失ったラブレスとなった道と、その片方で主人公・垣原に愛されていると実感する紫苑としての道もあって、そういった間接的なキャラの救済方法もあるのかと読了後に気づき、物語の構成や展開の素晴らしさに感動しました。 冗長で伝わりにくいレビューですが、要するにとても面白い作品でした。 もっと垣原と紫苑のコンビを見ていたいと思う内容でした。いつか続編を読めることを期待しています!
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ありがとうございます。 ラブレスを紫苑という異なる生を以て救済するのは最初から決めていた結末でした。 愛の有無で人はどこまで変わるのか――ということを、この二人を通して書くことが当初からのテーマでしたので、そう解釈していただけたなら嬉しい限りです。
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