水糸 工芸品

ああ、そうだったのか。 思わず、溜め息と共にそんな言葉を漏らしそうになりました。 この怒濤のラスト。ここに至るまでの全ては、このラストの為の伏線でしかなかったんですね。 あのオブジェ達も、惑星白昼夢には美男美女しかいない理由も、ヒソカの存在も。 そう、ヒソカ。彼(ですよね?)が鍵であり、世界であり、この物語を構築する核であった訳ですね。 晃とは対照的な、そしてその名の通り全てを内に秘めるかのような翳りを含む双眸。幼さと思慮深さを併せ持つその顔と、少年のような線の細さは、天使か悪魔かを連想させるものでした。 表紙には晃が大きく描かれていて、それに惹かれて読み始める人が多いと思いますが(私もその口でしたw)、よく見ると作品自体の不可思議な世界観が表現されているし、そこにヒソカへと繋がる、抽象的ではあるけれど確かな印が描かれています。これは読み終えて初めて気づくものでしたが。 そしてこの表紙までもが伏線だったとは…… そこから繋がる、ラストの晃の決断。 まだ読んでない人には、すぐにでも読んで貰いたい。 全てが渾然一体となったラストを、その爽快感を、是非体感して貰いたい。 素晴らしい作品です。 ありがとうございました★★★
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