まさりみか

状況は目に浮かぶのに世界観が分からないまま物語が進行する短編ならでは世界。 分からないままに少年に感情移入しスリルが増していく。 一つ一つクリアするたびホッとして最終目標に到達した途端、反転する世界。 10ページでまとめられたと思えないほど、臨場感に溢れ最後まで惹きつけられました。 ドキドキの展開からのラストシーン。 力が抜け、街と人と時の流れに想いを馳せながら、物寂しく虚しいような、でも彼が最後までやることがあることにホッとするような不思議な読後感でした。 作中の擬音の使い方が効果的で世界に引きずられましたし、作者独特感覚で使われている音がまた不思議な感じがしながらも面白いと思いました。
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