神楽 佐官

 この小説の不思議な格調の高さは何だろう?  たちのぼる珈琲の芳醇な香りにも似たダンディズムが作品全体を貫いている。  『粋な泥棒』だけではない。ハッシュヴァルト氏もそうだ。この町全体が『粋』なのだ。  一ノ瀬さんはこの小説にファンタジーを取り入れたといったが、登場人物の行動原理が作者の理想によって構築されているからファンタジーなのだ。この街全体が『粋』でできているからこそファンタジーなのだ。  この小説は一ノ瀬さんの『こんな街あったらいいな』という想いがたっぷり詰まっている。  だからこそこの小説はこんなに芳醇な香りがするのだなと僕は思いました。  拙い長文ですが、理想を愛する作者さまへ心より敬意を表して。
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お返事遅くなりました。素敵なレビューを有り難うございます! 確かに頭の中でファンタジー、理想の町並みが広がっていました。この物語を書く時点で、私もこの街の住人として彼らを見守っていたのかも知れません。 もし日本でこんな記事が掲載される日が来たら凄くワクワクするんですけれど(^^)
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