しゆ

まずは完結お疲れ様でした。 鉄壁の女帝の男性遍歴からは全く外れている、篠田という人物を巡る恋物語。 序盤では 「これで恋が成立するのか」 という波乱含みの展開でしたが、移り行く景色の陰影や、光彩などを巧みに登場人物の心情と重ね合わせた情感溢れる筆致に、ページをめくる手が止まりませんでした。 人生は数多の選択によって成り立っていると言われます。 片桐氏と上手くいっていれば幸せだったかもしれない。 課長の手を取っていれば、幸せな未来が待っていたのかもしれない。 それとも、まだ見ぬ誰かと結ばれる未来もあったのかもしれない。 しかしながら、女帝としてのプライドをかなぐり捨て、素の自分をさらけ出して掴み取った未来が、最良の選択だったと信じたい気持ちです。 紆余曲折の果てに結ばれた二本の絃。 その絃によって紡がれていく未来図が、数多の幸せに包まれる事を願って。 この度は素晴らしい作品を拝見させて頂き、本当にありがとうございました。
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