よよよ

素敵な大人の女性に対する褒め言葉で、「肩の力が抜けている」って使うと思うんです。 物語を読み終えて、これは懸命に走り続けてきたひとりの女性の、程よく肩の力が抜けてきて、益々素敵な女性になってゆく、成長の過程を描いた物語だったのかなと感じています。 いわゆるバリキャリの美紀。 真面目で優等生で出来が良くて、しかも努力家で。 そこに優れた容姿が加わるならば、周りが彼女を放っておくはずがない。 皆の憧れの存在となり、そして同時に妬まれ苦手とされるのも(特に同性に)必然ってものでしょう。 本シリーズ最初の頃は、私もどちらかというと一般的な視点でしか彼女を見ていなかったのですが…… 彼女が女王様だなんて、とんでもない! どちらかというと泥臭い、どちらかというともののけ姫の部類じゃありませんか!(いや、それは言い過ぎ……) 最初は立ち止まったり疲れたりしている美紀に、“女王様でしょ、しっかりして!”と、多少ヤキモキしていたのに。 いつの間にか“泣いても転んでもいいから頑張れ!” と、いつの間にか一緒に走ってるつもりで応援するようになっていたのですから、驚きです。 人より分厚い鎧を身に付けただけで、彼女だって普通の女性。 弱さも脆さも、歳相応の悩みも持っている。 鎧の厚みの分、普通よりも淋しさは沢山抱えているかもしれない。 ……それでもやっぱり、彼女は強いと、私は思うんです。 そしてこの強さとパワーが、彼女の最大の魅力なのだと。 羽鳥課長が結局彼女を手放してしまうのも……本当の彼女の魅力を知ってしまったなら、致し方ないのかもしれませんね。 彼女をより良く理解した篠田青年に軍配があがるのも、理かもしれません。 乱文長文で恐縮ですが、最後に。 彼女にはこれからも――元彼・片桐氏の言葉を借りてしまい不本意かもしれませんが(笑)――フロンティアであり続けて欲しい。 そのためにも、頼むよ、篠田!! 出来る年下ダーリン君の、ポテンシャルの高さは信用してます! 本作はもちろん、シリーズ通して、大人の恋愛を描く作品でもあり、頑張る人への応援歌のような作品だったように思います。 ありがとうございました!
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