石川キララ

‘‘ 泥まみれに咲く、汚れを知らない蓮花のよう ” この言葉は、玲が鈴を表した言葉の一つです。 読み進めていくと、正にこの言葉はぴったりで。 現実を見極め、常に真っ直ぐで、綺麗な心を持つ鈴。時にユーモアたっぷりに語る口調に何度笑みが溢れたことか。 実は最初ーーーー 序盤を読むに当たり、この作品は…。芸能人と女子大生の恋愛模様に焦点を当てて描かれているのかと思いました。 しかし、それは良い意味で裏切らます。 時に、渦巻く黒い感情や、絶望を覚える切なさ、そして過去からの脱却。正しく1000ページを超える長編大作であったと思います。 名誉も地位も、皆が欲しがる容姿も。全てを兼ね備えていると思われる玲が、一番欲したのは…陽だまりのような温かさで。それこそが、鈴しか創り出せない真っ白で心地よい空間だったのではないでしょうか。 手の届かない存在。住む世界が違う。 それはまるでシンデレラが想いを馳せる王子のようで、鈴が落としたピアスは ‘‘ ガラスの靴 ” を連想するかのようでした。 最後の最後まで読者にハラハラ感を与え、また夢心地のラストに二人のその後の幸せを願いました。 他作品にもお邪魔させて頂きます。 ジュニィさん、素敵な作品をありがとうございました。
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