巴世里

はなさんは、もともと短編の名手ですが、この「ライオンとハイエナ」。たった6ページに広がるのはらワールドに吸い込まれて、魂持ってかれて、帰ってこれません。 いつも、上質の映画を観た後みたいな読後感になるのは、きっと描写や、構成、比喩や言葉のセンスと全てが秀でているからだと思いますが、やっぱり芯はテーマでしょうか。 主人公の想いが歪んだ形で発露され、それを想いの相手に全部見透かされ、尚且つ挑発される。 ライオンは、ハイエナに「かかってらっしゃい」と「相手になるわよ」と挑発するのですが、ハイエナはきっと最初から負けると分かっていても、その誘惑から逃れられ無いでしょう。 ボロボロにされるまで死闘を繰り広げるのか、どう妄想しても、最後はライオンが悠々と舌舐めずりしている姿しか、浮かびません。 だって、ライオンだから。 あー!はなさんの小説。 もっとたくさん読みたい! 極上の短編、ご馳走様でした。m(_ _)m

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