まにまに

秋と話し、秋と歩き、秋と歌い、秋と眠る。この一冊で、じっくりと秋を感じ、秋と親しむことができます。 どこか捉えどころがなく、姿を認識し近付けばすっと消えてしまう。不思議で希求心を擽られる秋という存在をありのままに体現している、まるで秋そのもののような詩集だと感じました。 残暑が長引き、漸く過ごしやすくなったと思えば、気づけば冬の寒さに薄れてしまっている。忙しなく過ごしている内に、いつしか存分に味わうことなく終わってしまう。いつも秋の印象はそんな感じでした。 しかし、 秋の気配を感じる度に旧友に会ったような気分になるように、気づかないだけで、秋はきちんと私たちの前に姿を見せていてくれたのだなあ、とひしひし感じました。 かさこそ、かさこそ、という秋の心臓の音。その音を聞くのが待ち遠しくなるようです。 寄り添って、また巡っていく季節をただ待っている。 長々と書いてしまいましたが、言葉にならないことなのだから、ただ黙って噛み締めれば良いんだよ、と秋がそっと教えてくれているような気がしました。 写真もとてもいい味を出していて、大好きな詩集のひとつになりました。
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まにまにさん、レビューありがとうございます。 この「一冊」と書いてくださっているところに、ぐっと来ました(笑) 詩集としての実在感をもって、読んでくれたんだなぁ、と。 感想をていねいに綴っていただき、とても、うれしく思います。 テーマを決めて作品を持ち寄るというイベントに初めて参加したのですが、 みなさんの詩を一つひとつ読んでいて、あらためて、 人それぞれの心の中に、それぞれの「秋」が在るんだなぁと感じ入っています。 先ほど、まにまにさんの詩にレビューをつけ、ファン登録もさせていただきました。 今後とも、よろしくおつきあいください。

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