美森 萠

家族皆が寝静まったクリスマスの夜、一切の音を消して読みました。 声以外、全ての音が消えた世界。 大人たちは失った音を取り戻すべく、子どもたちから学校を奪う。 「お世話になった学舎に感謝を込めて歌を歌わない?」 まだ誰にも踏みしめられていない雪のように、無垢な子どもたち。 取り壊される校舎に、歌を歌ってお別れをしようという。 頼りは、音がなくなる以前を知る中学生たちの歌のみ。 それでも彼らは、懸命に練習し、やがて大人たちの心さえも動かします。 音を失った彼らが、歌を歌うことを通して得たもの。 消極的な性格の玲美を通して描かれていますが、それは自我の解放かな、と。 音のない世界で縮こまっていた彼らの窮屈な心が、歌を歌うことによって外の世界に大きく開かれた。 それは人々の心をも動かし、やがて街を上げての大合唱となる。 読んでいて、心が晴れ晴れとする本当に素敵なシーンでした。 さて、あとがきの後にある一篇の物語。 これは以前、サークルのアイドルんりょちゃんにサークルのお姉さま方から課されたえげつない(笑)試練だったのですが……。 なにかと色事に持ち込もうとする私たちをよそに、んりょちゃんは実に見事にサスペンスな世界を描いていましたね。 そして、この一篇を物語のはじまりとするならば、冒頭の、少女と老人のいる世界は……。 ううう。彼らにもどうか平穏で安らかなクリスマスをと願わずにはいられません。 今回のイベント参加作品の中でも、非常に印象深いお話でした。 んりょちゃん、ご参加ありがとうございました!
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こんばんは。 臨場感を出してから作品に挑んでくださり、そして作品を遥かに上回る綺麗な文体のレビューをありがとうございます。 新たなるチャレンジ。努力、協力、その積み重ねからの目標の達成。 そこから得られるのは、……他心の後押しが必要かもしれないし、自分で気づくかもしれないし、コペルニクス的転回が必要かもしれない。 近くにあるのに見えないもの。 萠さまの考察、お見事です。 そして、サークルのお姉さま方に大感謝。 あの試練のお陰で作品が仕上がりました(о´∀`о) そこから冒頭へと引っ張ると……あれは。レアな体験をしたと言うことで(;A´▽`A 変な聖夜…聖昼作品ですが、それを引き上
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んりょちゃん、こんにちは。 レビューにお返事をくださり、ありがとうございました。 今回の作品を読んで、やっぱりんりょちゃんに参加してもらってよかった(やや無理やりだったかもしれんけどw)、んりょちゃんがサークルにいてくれてよかった、って思いました! (コウちゃんと、「んりょちゃん、バレンタインだったらどんなお話出してくれるかな……にやり」なんて裏で話してたり(笑)) いつもんりょちゃんはどんなお話出してくるか全然読めないから、ほんと楽しみなんです。おかげで、イベントもピリッと引き締まった感じがします。 今年一年、本当にお世話になりました。 また来年も、よろしくお願いします! サークルの

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