神山 流衣

失礼ながらまにまにさんの初期の詩集と比べて、とても大人っぽく艶のある文章に変化しているのに驚きました。 もちろん私は<ひねもす>も大好きな一人です。 所作、感情の揺れ、人情の機微まで豊富な語彙で丁寧に綴られてあり素直に美しい作品だと思います。 <線香花火とオレンジ>ではリフレインされた何節かの語尾が違ってあり、若輩者ですがこのような詩ははじめて読んだ気がして、とても新鮮です。 時にゾクッとするようなフレーズがありますが、それすら美しいのです。 一番好きなのはこの二節、 隠したい場所ほど晒されるから 分かち合うたびに押付けている なんだか私は自分の体験とシンクロしたような身勝手な気持ちになります。解釈は違うと思いますが、男女の微妙な距離感を指しているような気がしてなりません。 分かりあいたいのに、心許し近づく度に二人は本当の意味で一つにはなれない。そんな切ない気持ちになりました。 概要にある、君の嘘がヒントかもしれませんが、この詩集を完璧に読み解くには、まだ私には早いようです。 ですがたいへん好きな世界観なのは確かです。晩夏と檸檬、紅葉と朝露のようなイメージ。静寂の中で落ち葉をブーツが踏みしめる音が聴こえてくるような。 直接的な表現はなくとも間違いなく秋の詩ですね。 本当に何度も読み返したくなり、今日実際に三度も拝読させていただきました。抽象的で拙いレビューで申し訳ありません。 読ませていただきありがとうございます。
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ええと、あの、大変身に余るお言葉を頂き、昨夜からソワソワしっぱなしでした。 ご丁寧な感想をどうもありがとうございます……恐縮です。 過去の作品からの変化まで感じとって頂き、もう恥ずかしいやら嬉しいやらなんやらで……言葉になりません。 私も詩作を再開してからというもの、あの頃の作風との違いをひしひしと感じています。それは超えるとか越えられないとかではなくて、以前の詩も今書いているものも、どちらも大事にしたいと思っています。 解釈の方はもうほぼ、完璧だと、思います。 なんだかバシッと言い当てられたようで、結構照れますね(笑) 黒瀬さん、こんなにも細かく読み込んで頂き、本当にありがとうございま
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