鉄道・路線と言えば、いわゆる「トラベルミステリー」(西村京太郎先生の「十津川警部シリーズ」など)を思い浮かべるし、そういったジャンルが主なのですが、今作は《鉄ヲタ探偵・曳野所長》が、列車・電車・鉄道の「特性」を見事に把握した上で、事件を解決して行くという異色の面白さがポイントであり、最大のウリです。  僕自身、福井県の「敦賀ループ線」を体験する為だけに青春18きっぷを買って旅に出たり、宮島口駅のあなごめしをお昼ご飯に食べるためだけに(!)福岡の自宅から広島まで電車で出掛け、あなごめし堪能したら、また電車でとんぼ返り(本当です)というヤツなので、終始ニヤニヤしながら読ませてもらっていました。  発車アナウンスや路線・駅ごとのBGMの違い、また旧国鉄時代の運行車種、廃線、通勤通学以外の「列車の変わった使用方法」までもが勉強になる上、見事なまでに濃いキャラクター達が彩り豊かです。  こういった連作集は、なかなかお目に掛かれないので、お得感抜群で応援したくなりますね。  余談ですが、僕も以前「炭鉱列車」をトリックに使ったミステリーを書いた経験があるので、こにしさんとは気が合いそうです!!  追伸;ウサミミちゃん、最後まで上司を呼び捨てのままで、何だかファンキー(笑)
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レビューをありがとうございました。 熊川さんがいかに電車好きかがよく分かりましたし、駅弁好きでもあるんですね。 楽しそうでいいと思います。 昔の西村京太郎トラベルミステリーはかなり読みこんできました。 でもあのようには書けないです。 従って切り口を変えて書けないものかと考えたのがこの作品です。 鉄道運行に時流を絡ませ、ウサミミの過去と現在を絡ませ、連作ですが全体を通して読むとシリーズ内で書かれた大きなテーマも楽しめると自負しております。 ウサミミは心の中では「曳野」と呼び捨てです。 年齢、仕事では上下関係があり曳野は敬うべき相手なのですが、そこは生意気な16才なのです。
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