これほど汗科学をふんだんに取り入れた小説も世にめずらしいのでは無いでしょうか。 99%が水分で成り立っているはずの汗成分が、何故か水分85%、塩化物15%で成り立ってしまっている主人公という設定の時点でまず興味をそそられます。 冒頭、主人公ポカリは電解質が人の15倍不足しやすいというハンデのために、医師に脱水症状になりやすいと診断されますが、その時に彼が放った言葉「では食塩を人の15倍多く取ればいいのだな?」には正直ふきだしました。いや、そういう問題じゃないだろうと。それじゃ水も普通の15倍多く飲まなきゃいけなくなるぞと。タポタポの腹で一体どうやって魔王を倒しに行くのかと。せっかく八つに割れた腹筋が台なしだぞとwでも実行するとこが凄い。 そりゃあ汗嫌いにもなりますよねwでも、思うんですよ。どっちかというと嫌うべきは汗ではなくて自分のその体質じゃないのかなぁと。でも、この物語の凄いところは、何故主人公がそういう思考に至らないか、あくまで汗が嫌いなのかというのが、 この物語の舞台であるイノセントワールドのミスター国とチルドレン国の二つの大きな国の戦争の火種となってゆき、最後の最後までずっと伏線として生きつづけるところなんです!いやはや、作者の想像力には脱帽します。 汗が大好きなヒロイン、エリアスとの汗くさい爽やかな恋も物語の魅力の一つ。ですが、これに関しては残り10ページくらいまで読んでちょっと鬱になりました。「えっ、このギャグのノリからそんな悲劇?」って。すっごい可愛くて汗っかきだったので悲しかったですね。まさか熱中症だなんて。 最期の言葉『99%の汗と1%の電解質だ…よ』でマジ涙腺崩壊。 これからクライマックスを読んでいきますが、ポカリには是非汗によって世界を平和に導いてもらいたい!そして、エリアスの想いにも報いてほしい! 更新期待してます、頑張ってください!(★)
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