autumn

自分探しの旅ですね。 オリジンを探し求めることで、空っぽな心に寄生してしまった異質感を浄化させる。 ルーマニアの現代史と歴史的文化に触れることで過去と現在を行き来し、 社会情勢に翻弄され祖父母に降りかかった悲劇的な過去を知ることで、知らなかった母の面影を視る。 祖母を受け入れ心を通わせた瞬間、 少女時代決して満たされることのなかったアイデンティティをようやく完成させたように私にはそう思えました。 19歳のときに最初で最後のパイプオルガン演奏を聴いたのですが、 今でも体に伝わる振動に体が同調し鳥肌が立ったことを覚えてます。 物語に出てくる、大聖堂のパイプオルガンの音色もさぞかし素晴らしいものでしょうね♪ ルーマニアという国を紹介してくれる旅行記にもなれそうです。 今作品の拘りの一つに、題名の薫りがあったと思います。 革命、ローズドッグ、祖母の愛という大きく三つのルーマニアを連想しました。
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拙作へのご高覧及びレビューどうもありがとうございます。 こんなに高い評価で恐縮です。 一度も訪れたことのない土地を妄想した作品なので、少し後ろめたいです。 確かに、このヒロインのティミショアラ行きは「自分探しの旅」ですね。 日本では妻となり、母となった彼女には、日本人としての社会的アイデンティティは既に確立されているわけです。 しかし、「母親がルーマニア人で、ティミショアラにルーツを持っている」というアイデンティティは、母親の死後は、実質的に彼女が日本社会に生きる上では黙殺されてきました。 ちなみにヒロインの名の「ナディア」は文中にも示したように「白い妖精」ことナディア・コマネチにあや
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