Satori

この小説を『青春ミステリー』という、ライト文芸的な呼び名で括ってしまうのは少々惜しい。 ネット小説らしい派手さには欠けるものの、それを十二分に補う吸引力を持った小説であるように思う。 ミステリー小説の要となる、情報開示のタイミングが適切で、読み手を十分に引き付ける力がありながら、青春小説としてもストーリーを成立させている。 双方の属性が上手く引き立てあって、深みのあるストーリーに仕上がっており、特に青春小説という視点においては、ここまで真っ向から向き合って書いた作品を、私は今まで読んだことがない。 思春期の少年少女は、大人顔負けの成熟した考えを持つ反面、その考えに感情が追いつかない面もある。 それゆえに生じる矛盾や葛藤を救うべく何かを見つけようとして足掻き、また見つけられずに苦しむ、生々しい感情が正面から描かれており、目を逸らすことが出来なくなる。 読もうかどうか悩んでいる方は、是非ブックを開いてみてほしい。 連鎖の果てにあるものは愛か悲劇か。ラストまで目が離せない、一押しの作品。
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Satoriさん! お時間のない中、こんなに素敵なレビューを、本当にありがとうございました! もう、読みながら恐縮するやら、文面に惚れるわで大騒ぎです(ToT) 深く読み込んでくださって、その上に慎重に、丁寧に書いてくださったことがわかります。 このレビューに恥じないように、最後まで仕上げますね! 下書きの段階で「こんなに重いのはきっとネット小説では読んでもらえない……」と、投げ出してしまった作品ですが、描き続けて良かったです(;_;) あ、でもまだ完結していませんもんね。 このあと、さらにSatoriさんはじめ、読者様をひきつけられるように頑張ります。 ハードな展開になっていきますが
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