彩葉

このお話を読んだ後、ふと先進国と発展途上国の差について、考えてしまいました。 しかし、このお話、そんなに小難しいお話ではありません。 笑いを執拗に求める『笑い姫』を主軸に置いた王道の童話ではないかと思います。 物語は、笑い姫の紹介から、姫の誕生日に催される宴へと移っていきます。 この部分は、すごくわかりやすく、すーっと心の中に入ってきます。 子供が読んでも、楽しめるんじゃないでしょうか。 そこからの流れは、これから読む人のために伏せておきますが。 「笑う」ということ、「笑おう」とすること。 その大きな違いを、うまく物語に取り入れていて。 「ああ、そういうことか」と思わせてくれます。 「笑うこと」を通して、姫がいろいろと考えていくこと、変わっていく姿は、成長するお姫様。 国民に愛されるのも、わかる気がしますね。 宴が盛り上がったのも、お姫様の笑った姿が見たいと思った、国民たちの気持ちもいくらかあったのかもしれません。 豪華絢爛な生活をするお姫様と。 宴の時に現れた貧しい暮らしの少年。 この二人が、先進国で暮らす人、発展途上国で生きる人を私の中に彷彿させて、なんだかいろいろ考えてしまいました。 確かにお姫様は恵まれてはいたけど、幸せではなかったと思う。 それがまた、先進国で心を病んでいく人と重ねてしまうのです。 逆に少年は、恵まれてはいなかったけど、日々を一生懸命生き抜いています。 夢を語る発展途上国の子供たちが目をキラキラさせている、という表現を何かで見た気がしますが。 少年のまっすぐで、ひたむきなところはそれと重なるのです。 これを意図して書かれたものではないかもしれませんが。 私たちは恵まれた生活の中で、何か大切なものを忘れていないか。 そういったことを問いかけられているような気がしました。 大人が読んでも、子供に読み聞かせるにも、ステキなお話です。 たくさんの人に読んでいろいろ感じていただきたいですね。 私の中でかなりおすすめ作品です。 ぜひ読んでみてくださいね。
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レビューありがとうございます♪ 先進国と発展途上国…正に最初書いた時のイメージを見透かされたようなレビューです! まぁイメージはしてましたが、そこまで意識はしてなかったので、この受け取り方は非常に有難いです。 特に国民達の心情…そうか…王様は聡明で寛大な人をイメージしてたので、その無邪気な娘も慕われてたかもしれませんねぇ。 書き手がイメージしきれてない部分を拾って頂くのは、本当に嬉しいです♪ また童話書いてみようかなぁ(ノ´∀`*) 読んで頂き、ありがとうございました!
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