進藤ハルヒト

 エッセイの更新分読みました。  トリックありきで(本格)ミステリーを書いてしまうというのは、まさしく僕のことですね(笑)「これ本」などまさしくそれです。  幸い、偶然の産物ではありますが「首なし死体のロジック」はそれを脱していましたけれど。驚いたのは、トリックどころか殺人、死体も必要ないということですね。確かに、言われてみれば日常の謎はそれを体現しています。
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 いえいえ、進藤さんの『これ本』には別種の価値がありますから。  島田荘司の本格ミステリー論はそもそも、新本格ムーヴメントを一過性のブームに終わらせないためにとあえて、綾辻行人や有栖川有栖らの作品を念頭に、日本の本格シーンが抱える脆弱な部分に前もってメスを入れたものです。簡単にいえば、当時のミステリー小説の出版状況に、それ以前の本格不遇時代に対する反動もあって、古典的でワンパターンな作品が多いという傾向があるのに、このままでは早晩また本格が死に絶えるのではないかと危機感を覚えたからなんですね。  いまはその逆で、ゆるいキャラミスやお仕事もの、SF設定やファンタジー世界を舞台にしたもの、騙
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 自分が今までに発表されている優れた評論に目を通していないこともあり、小池さんのあのエッセイは勉強になります。いずれはそれら評論も手中に収めて読もうとは思っていますが、現状まだまだ読んでいない作品が多い僕がそれを読むのは時期尚早だと考えています。新本格世代の作家以降に後続する作家が少ないことから、小池さんの仰る「本格が死に絶える」というものもわかる気がします。  それらの、敢えて言えば一見本格ぽくない作風をミステリーに取り入れること自体は面白いと思いますが、ミステリーのテイを成していない作品が本格ひいてはミステリーを名乗るのは間違っていると思います。「これ本」は、僕自身の本格感がまだ定まって
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